カレッジマネジメント230号
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32リクルート カレッジマネジメント230 │ Oct. - Dec. 2021ていますが、神田外語大学では学生の3割は男子学生ですね。彼らは女性サポートする授業に参加していますか?どういう風に反応しますか?宮内:人それぞれですね。外国籍教員が多いこともあり、多様性に対する理解が深く、LGBTやマイノリティーであっても自然にソサエティに加われる文化は醸成されています。この大学からビジネス、国際機関に積極的に出ていく人が増えるのではないかという自信が出てきているところです。坂東:現在、国際機関で活躍する日本人の3分の2は女性です。その時に語学だけでなく、語学を道具として円滑に使いこなしながら、自分の専門性として何を提供するかということが大事ですよね。グローバル人材というのは現地に行って利益を出して競争に勝つ人ではなく、それぞれの社会が乗り越えようとしている課題を、現場で一緒になって汗を流して解決していくことができる人ですから。解決の方策において専門性も備えていなければいけません。宮内:そのほかに押さえるべきこととして、今はSDGsが企業経営判断の1つの基準になっています。これは非常に健全なことです。人間や社会が幸せになる指標を企業が追及することで利益も上がるわけですから。職業倫理とリアリティを近づけていくアプローチがとても大事ですし、社会課題の解決を模索しないプレイヤーが排除され、全体として良い方向に向かうという仕組みにやっとなってきたのではないでしょうか。それだけ地球が危機に瀕しているとも言えるわけですが、学生にはそういう視点をベースとして持ってほしい。そういう視点で物事を見られるようになってほしいし、そのために新聞を読む等の基本的な行動を身につけてほしいですね。坂東:確かに、社会のあり方は大きく変わってきていると思います。特にビジネスはこれまでアメリカ中心に、株主の利益を最大化することが経営者や所属員の役割だと言われてきましたが、2019年に米最大規模の経済団体「ビジネス・ラウンドテーブル」が、株主第一主義を廃し、全てのステークホルダーの利益を考えて社会的責任を果たすべきという趣旨の宣言を出しました。そういう潮流のなかで、女性が活躍できる素地は整いつつある。私は学生達に、昔の男性的な働き方やリーダーシップを目指すのではなく、これから必要とされている新しいリーダーシップのスタイルを目指してほしいと伝えたい。利益至上主義のトップダウン型ではなく、社会的価値を創出し貢献する、チームの構成員の特性を育てていくインクルージョン型リーダーシップもあるよ、と。本学の教育で新しいリーダーシップ育成ができれば、今後、本学のブランドの軸足となるでしょう。─さきほど失われた20年というお話もありました。今、社会が必要としている「新しい価値にチャレンジできるグローバル人材」は、供給が絶対的に足りていない。女性にそれができれば、貴重な人材になれるはず。

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