37リクルート カレッジマネジメント230 │ Oct. - Dec. 2021社会環境は大きく変化してきている、だからこそ改めて各大学は本業としてどのような社会課題に向き合っていくのかを明確にしたうえで、これをビジョンや中期計画で教育・研究にどう取り組んでいくのかを示すことが必要となる。そしてその価値や目的をどのように社会や進学希望者にシェアして、共感を集めていくのか。その実践と発信が今後ますます重要になっていくだろう。多くの大学改革を見ているが、「悪循環」から「好循環」に移行し、大学ブランドを構築するには概ね10年程度はかかると考えた方がよいだろう。取り組みは早い方が良い。資金の獲得も可能になる。一方、ブランド力が低下すると、大学の存在価値が低下し、偏差値輪切りの中で滑り止めの大学となる。志願者確保に苦労し、十分な選抜ができず、入学者の質が低下すると、入学時からの教育難易度が高くなり、教育の質の低下を招く。すると、卒業生の評価が低下し、学生・教職員の満足度・モチベーションが低下し、さらにブランド力は低下する。こうした状況では、競争的資金の獲得も難しい。これを「悪循環(ネガティブ・スパイラル)」と呼んでいる。図にすると簡単に見えるが、大学改革が停滞し、個性が磨かれないまま、気が付かないうちに「悪循環」に陥っている大学も少なくない。理念に共感した志願者滑り止め(偏差値輪切り)学生・教職員の満足度向上学生・教職員の満足度低下卒業生評価の向上卒業生評価の低下教育の質の向上教育の質の低下ブランド力(本学ならではの価値)の向上ブランド力(存在価値)の低下志願倍率上昇志願倍率低下選抜非選抜入学者の質の向上入学者の質の低下効率的な教育投資教育難易度UP好循環(ポジティブ・スパイラル)悪循環(ネガティブ・スパイラル)競争的資金の獲得補助金の減少大学ブランド構築には10年かかる募集力と中退防止重要なのは「本学ならではの価値(存在価値)」の確立と浸透「価値の共感」が生み出す大学のブランド戦略第1特集●大学ブランド 未来の指標時間がかかるブランド醸成 取り組むなら今すぐ
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