39リクルート カレッジマネジメント230 │ Oct. - Dec. 2021デジタルトランスフォーメーション(DX)という言葉がバズワードのごとく教育業界を席巻している。DXと聞いて、初等中等教育で、全国の児童・生徒に1人1台のコンピューターと高速ネットワークを整備する文部科学省のGIGAスクール構想、コロナ禍で活況となった授業やコミュニティのオンライン化などを思い浮かべる方も多いことと思われるが、教育のデジタル化だけをDXと判断するのは早計だ。DXとは本来、デジタルを前提にして経営戦略を描き直すことである。システム整備等はそこに含まれるが、それだけで終わってはならない。当然、情報システム部署を整備すればよいという話でもない。重要なのは、Society5.0の時代に生き残るために、デジタルを前提にした社会で価値を創出して生き残るにはどういう計画が必要か、どういう人材が必要か、どういう研究や教育サービスを展開する必要があるか、という視点である。本特集では、DXとはそもそも何か、国が今考えている全体像を捉えることを目的に、経済産業省と文部科学省に、それぞれの領域におけるDX政策について視点提供を頂いた。次号からは多様な組織のDXへの取り組みをリポートする連載「DXによる新たな価値創出」をスタートし、高等教育機関のDX検討の参考に供したい。
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