カレッジマネジメント230号
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41リクルート カレッジマネジメント230 │ Oct. - Dec. 2021は「DX推進のための経営のあり方、仕組み」と「DXを実現する上で基盤となるITシステム構築」の2点からやるべき事柄を整理したもの。後者はマイルストーンとなる項目に関する自社の状況を6段階で評価できるようにしたものだ。しかし、「9割の企業は自己診断だけでは動けない」と田辺氏は言う。推進力をつけるにはやはり、企業を評価する投資家等のステークホルダーがどう見ているかという客観評価が必要になる。そこで、2020年11月に公表されたのがデジタルガバナンス・コードである。これは企業によるDXの自主的・自発的取り組みの推進を促すとともに、経営者が主導して積極的にステークホルダーとの対話に取り組む企業に対し、資金や人材、機会が集まる環境整備を目的に策定されたものだ。経産省では、正しい自己認識のもと改革を実行する企業に対する税制優遇措置も整備した。対応策③DX実現に向けたITシステム構築におけるコスト・リスク低減のための対応策ITシステム刷新は莫大なコストと時間がかかり、また、刷新後のシステムが再レガシー化してしまう恐れもある。こうしたコストやリスクを抑制しつつ改革を進めるには、実行推進上の懸念点を丁寧に払拭する必要がある。そのため、システム刷新後のシステムが実現すべきアーキテクチャや目標設定に関する情報提供、より有意な開発の方向性提起、業界ごと・課題ごとに共通プラットフォームを構築することで、早期かつ安価にシステム刷新を目指す「協調領域における共通プラットフォームの構築」の検討等が提起されている。戦わなくていい部分をいかに共通項としてくくり出してプラットフォーム化するかという考え方は、高等教育業界においても重要な観点であろう。対応策④ ユーザー企業(システム利用側)・ベンダー企業(システム提供側)の目指すべき姿と双方の新たな関係DXによる迅速なビジネスモデル変革を実現するためには、従来のゴールありきの受託業務から脱却し、常に改善し続けるアジャイル開発を前提にした開発プロセスの設計が必要である。こうした従来と異なる契約方式等について経産省でひな形を用意した。対応策⑤ DX人材の育成・確保DX人材の育成・確保は各社にとって最重要事項である。そもそもDXありきでない従来型のOJTではDXの実行力は培いづらい。各社は求められる人材スキルの整理と、当該人材への正当な評価制度等の整備を急ぐ必要がある。一方で、高等教育におけるAI・DS教育の推進やリカレント教育も期待される文脈だ。その際は、学問としてのあり方と現場リアリティーとの距離をどう実践経験で埋めるかという観点が必要になる。DXレポートから2年後に公表されたのがDXレポート2だ。ここでは、前述したDXレポートで提起された問題を含年月施策名概要・目的20189DXレポート2025年の崖、DX実現シナリオ、DXの推進に向けた対応策201812DX推進ガイドラインDX実現にあたり経営者が押さえるべき事項の明確化ステークホルダーがチェックすべき事項の明確化20197DX推進指標経営者等や社内関係者がDX推進に向けた現状や課題認識を共有し、アクションに繋げるための指標20202DX調査2020DX銘柄2020選定のための調査(~2021年1月迄)20205DX認定制度DX推進に向けた「準備が整った事業者」を認定20208DX銘柄2020優れた取り組みを行う企業を選定し、モデルを波及するIT利活用の重要性に関する経営者の意識変革を促す202011デジタルガバナンス・コード企業によるDXの自主的・自発的取組の促進積極的にステークホルダーとの対話を行う企業の環境整備202011DX調査2021DX銘柄2021選定のための調査(~2021年1月迄)202012DXレポート2 中間とりまとめDXは経営そのもの、レガシー企業文化からの脱却95%の企業はDX未着手または途上という現状20216DX銘柄2021優れた取り組みを行う企業を選定し、モデルを波及するIT利活用の重要性に関する経営者の意識変革を促す20218DX税制DXの実現に必要なクラウド等デジタル投資に対する税制支援上述の「DX認定」等も要件の1つ図1 経済産業省の主なDX施策(2018年~)第2特集●DXによる新たな価値創出DXレポート2(中間とりまとめ)

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