カレッジマネジメント230号
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46リクルート カレッジマネジメント230 │ Oct. - Dec. 2021関連企業はマイクロソフト1社のみであった。しかし、わずか10年でGAFA、テンセントなどの中国企業も加えIT関連企業が7社もランクインし、金融・エネルギーといった企業が支配的であった情勢ががらりと変わったのである。2点目、データサイエンス・AIは、人間の認知能力を拡張し、将来の意思決定を大きく左右することである。データは我々が意識することなく、生活から様々なデータが取得され、人間にはできない大量のデータを処理することにより、認知能力を飛躍的に向上させるのである。読み・書き・そろばんに加え、データサイエンス・AIはこれからを生きる若者にとって必須のスキルであり、デジタル社会においてこれを無視した教育では、若者たちは丸腰のまま世界の荒波にさらされることになることが分かって頂けると思う。●数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度-MDASH政府は、2025年までに年50万人、大学・高専卒業者全てにリテラシーレベルの知識を身につけさせるという野心的目標を設定し、その実現に向けた施策として「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度-MDASH」を導入した。この制度は「数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアム」が策定したモデルカリキュラムを踏まえ、全学的に開講される教育プログラムを認定するもので、今年度はリテラシーレベルとして78件の教育プログラムを認定し、そのうち特色が認められるものをリテラシー・プラスとして11件選定した(図2)。来年度からは、リテラシーレ教育においてこの標準化の議論が始まっているが、この動きと連携しながら高等教育におけるデータ標準化についても、海外動向も踏まえた対応が必要になると考えている。●新しいDX施策の方向我々行政官も、やや言い訳にはなるが人員や時間の制約、新しいことを始めるリスクへの恐れから、既存の延長線上で施策を立案、実行しがちである。しかし、DXは①「個」のアイデアを「組織」につなげるための「コミュニティ形成」を必要とすること、②データの活用には帰納的アプローチに備えるべく標準化が求められることを踏まえ、これまでの高等教育行政にはない新しいビジネスモデルを模索していかなければならないと考えている。既存のビジネスモデルである「財政的支援」に加え、「コミュニティ形成支援」「データ標準化の検討」を組み合わせ、試行錯誤しながらDXによるイノベーションを加速していきたい。●なぜデータサイエンス・AI教育なのかDXを進めるうえでデータサイエンス・AIの素養を持つ人材が不可欠であることは論ずるまでもないが、改めてなぜデータサイエンス・AI教育の強化が待ったなしと言われるのか認識を共有したい。1点目、データ活用が産業構造を短期間で一変させたことである。2007年当時、世界の時価総額トップ10の中にIT待ったなしのデータサイエンス・AI教育図2 数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度●数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル)●数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル)プラス令和3年度78件を認定大規模総合大学から文系私大まで幅広く認定国立:30件 公立:3件 私立:33件 短大:2件 高専:10件令和3年度11件をリテラシー・プラス選定国立:6件(北海道、東北、筑波、千葉、滋賀、九州)公立:1件(山口東京理科)私立:3件(北海道医療、金沢工業、久留米工業)高専:1件(長岡工業)

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