カレッジマネジメント230号
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リクルート カレッジマネジメント230 │ Oct. - Dec. 2021グローバル化する社会への対応が必要なことに異論がある読者は皆無であろうが、改めてその意義と教育への影響を考えてみたい。特に、大学教育の前後にある社会、及び初等中等教育における意義と現状という2つの観点から整理したい。TOEIC©運営団体である国際ビジネスコミュニケーション協会の「英語活用実態調査(企業・団体、ビジネスパーソン)2019 」によると、「今後のビジネスパーソンにとって重要な知識やスキル」は、コミュニケーションスキルや問題解決力を抑えて1位が英語となっている(図1)。また、「企業・団体が目標とする英語スキルの水準」では、単に挨拶できるだけでは不十分で、「英語で行われる会議で議論ができる」を筆頭に、メールや電話でのやり取りがスムーズに実施できることが期待されている(図2)。つまり、想定されるスキルとしては4技能活用を大前提とし、相手がある状態での対話のみならず、ディスカッションやディベートレベルの英語力が求められている。新学習指導要領では、「英語の4技能5領域を小学校から中学校、高等学校へと、一貫した目標に向かって習得していく」というのが英語カリキュラム上の特徴である。4技50グローバルスキルとしての英語力をどう育成するか入試は社会へのメッセージ#1図1 今後のビジネスパーソンにとって重要な知識やスキル(複数回答)図2企業・団体が目標とする英語スキルの水準(最も近いものを1つ)社会で必要なのは議論可能な英語力初等中等教育は英語4技能を重視する流れ新連載英語で行われる会議(テレカンを含む)で議論できる挨拶ができる簡単な業務連絡などができる取引先/海外支店とメールでやり取りができる取引先/海外支店と電話でやり取りができる通訳なしでの海外出張に一人で行ける海外赴任できる無回答5.913.615.515.519.914.611.9全体(n=528)海外売上高比率20%以上(n=162)1~19% (n=72) 0% (n=108) 05101520253035(%)3.0英語コミュニケーションスキル(聞く、理解する、伝える)問題解決力、実行カリーダーシップ、組織のマネジメント能力論理的な思考能力基本的なビジネスマナー(適切な言葉遣い、立居振舞)自己管理カ(健康管理、時間管理)協調性、周囲への気遣い(チームワーク)プレゼンテーション能力国際的なビジネス感覚ITスキル国際人としての幅広い知識、教養中国語82.680.772.366.761.260.257.856.847.044.739.837.725.80102030405060708090100(%)英語が最多全体(n=528)海外売上高比率20%以上(n=162)1~19% (n=72) 0% (n=108) 図1・2ともに、(一財)国際ビジネスコミュニケーション協会「 英語活用実態調査(企業・団体、ビジネスパーソン)2019 」より

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