カレッジマネジメント230号
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68リクルート カレッジマネジメント230 │ Oct. - Dec. 2021この調査では、当該年度の受験を想定する先行指標としての志願度ランキングが注目され、多くのメディアに取り上げて頂いている。しかし、重要なのは知名度や志願度のランキングだけではない。ブランドの語源はburned、放牧していた牛や馬がどの家のものか分かるようにしていた焼き印だと言われている。つまり、ランキングに拘わらず、「あの~~な大学だね」と他大学とは異なる特徴や個性を持っていることが重要である。それを見るのがイメージ項目である。イメージ項目は主にスペックで表される「機能的価値」と、情緒的にイメージされる「感性的価値」に分類している。合わせて50項目を聞いているが、スコアを見ると高校生がイメージしやすい項目と、イメージしにくい項目がはっきりと分かれていることが分かる。イメージしやすい項目では、毎年のランキングの変動は少なく、イメージしにくい項目は回答数自体が少なく、変動が大きくなる。今年の進学ブランド力調査の結果を分析する前に、改めてコロナ禍の影響を大きく受けた今春の入試を振り返ってみよう。今春の入試では、大きく5つのポイントがあった(図表4)。①2カ月間にわたる休校で進路指導の機会が減少。模擬試験や対面型オープンキャンパスも中止になり、例年に比べて進路選択について検討する機会が減少した。②大学入学共通テスト初年度という不安に加え、コロナ禍で一般選抜自体が実施されるのかという不安から、学校推薦型選抜等の年内入試に受験者シフトが進んだ。③年内入試にシフトしたことにより、一人当たりの出願件数が減少。また、多くの高校生がコロナ禍以前の2年生までに第一志望校のオープンキャンパスに参加したが、併願校に051015202530(%)2021年2020年2019年調査数文化・地理・歴史法律・政治経済・経営・商社会情報観光・コミュニケーション・メディア国際関係・ 国際文化外国語美術・デザイン音楽2021年1160511.512.924.313.28.38.913.111.85.53.52020年1673711.812.825.413.08.09.713.712.85.73.62019年1158211.813.024.913.47.99.913.612.65.13.2051015(%)2021年2020年2019年調査数文学人間・心理哲学・宗教理学工学(エネルギー)工学(機械)工学(電気・電子・情報)工学(建築・土木)工学(その他)医学・歯学2021年116057.112.22.78.25.88.211.96.74.35.12020年167377.512.72.78.25.68.111.57.04.35.12019年115826.812.12.58.85.78.711.46.74.54.9051015(%)2021年2020年2019年調査数薬学看護医療・保健・衛生福祉体育・スポーツ家政・生活科学教育・保育生物・農・獣医・林産・水産地球・宇宙科学・環境その他2021年116056.28.810.94.27.65.513.57.43.31.82020年167375.58.911.04.29.85.014.27.33.72.32019年115825.68.510.84.08.74.713.87.24.01.7図表2 進学希望分野(関東・東海・関西合計)コロナ禍の影響を大きく受けた今春の入試

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