12リクルート カレッジマネジメント231 │ Jan. - Mar. 2022同じ学生でも企業の評価が変わるはずですが、この「翻訳機能」が使われていません。小林:なぜ使われていないのでしょうか。増本:産業界がどう変化し、企業が何を求めているのかを大学が把握し切れておらず、大学も学生も、大学での学びの中の「何が企業に刺さるのか」を自覚できていないのだと思います。ただ、根本には企業側の課題があります。学びを評価に加えた人材要件で新卒採用を行う傾向が出てきたとはいえ、自社が評価する人材像をスキルセットとともに言語化して情報開示できている企業はごく限られています。また、当研究所が「21年卒採用を実施または実施予定企業」に学生と接点を持つ前の「採用準備」の状況を調査した結果を見ると、「経営戦略に基づいた採用戦略を策定している」と回答した企業が約6割あるものの、「採用活動において社内で共通の選抜条件を社内で共通言語化して設定している」企業は4割未満でした(図4)。多くの企業において、「新卒一括採用」はまだまだ採用担当者の「KKD(経験・勘・度胸)」に基づいて評価されがちなので、企業が「求める人材像」が大学に伝わりづらいという側面もあると思います。小林:学生の自己成長志向の高まりや、企業の「ジョブ型雇図5 入社予定者全体に満足している企業とそれ以外の企業の情報提供の割合69.855.980.866.965.551.662.448.978.665.667.082.770.479.767.559.247.339.365.761.385.875.344.542.132.034.150.354.327.754.0(%)社内の独自技術や研究内容入社後のキャリアプラン初任給事業組織の構造(部署など)平均勤務年数働き方の制度(在宅ワーク・副業兼業・フレックスタイムなど)離職者数または離職率社風・企業文化取り扱っている製品やサービス正社員の平均年齢社内研修・自己啓発支援の有無とその内容(業務研修・語学研修など)社内の人間関係財務状況(売上・利益・資本などに関する状況)自社が求めている具体的な能力・人物像過去3 年の新卒採用実績数満足している企業群それ以外の企業群「過去3年の新卒採用実績」や「自社が求めている人物像」、「財務状況」、「社内の人間関係」といった項目において、情報を開示している企業としていない企業の採用に対する満足度の差が大きい。リクルート『2022年卒採用の中間報告と2023年以降の就職・採用の展望』5論点「学び」と「仕事」をつなげるために、大学が取り組むべきこととは?※39項目中、採用に満足している企業とそれ以外の企業の差が大きい15項目を抜粋
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