14リクルート カレッジマネジメント231 │ Jan. - Mar. 2022日本の新卒採用慣行は、日本独自の雇用システムの重要な一部を成しており、世界的に見てもユニークである。しかし、その雇用慣行を長く当然のものとして捉えてきた多くの日本人にとっては、何がユニークなのか理解が難しい。「今の新卒一括採用は問題だ」という論調は良く耳にするが、ある特定のタイミングで大量採用していることが問題なのだろうか、ある特定のタイミングで大量入社することが問題なのだろうか、はたまた、採用時に何をするかが決まっていないことが問題なのだろうか。ここでは、日本における新卒採用にどのような問題があるのか、今後はどのような方向に向かって行くのか、またそれが、高等教育機関にどのように影響を与えるのか、について考察したい。まずは、日本の新卒採用のユニークな点を理解するために、新卒採用活動の持つ特徴や構造を明らかにしてみよう。日本の新卒採用活動は早い。2021年現在、最も早く動く企業群では、大学3年生の夏に採用活動を開始する。インターンという名目がある場合は、実質的により早く活動を開始しているケースもある。海外では違う。もちろん、早めのアクセスを企業側、学生側共に行うことはあるが、卒業間際、ないしは卒業後に就職活動することも珍しくなく、そのタイミングは学生個人の判断であり、受け入れる企業側も様々なタイミングで採用をしている。私自身、修士取得のタイミングで留学をした経験があるが、皆、就職活動に熱心ではあったものの、卒業1年半前に就職活動が盛り上がる、というようなことはなかった。新卒一括採用は第二次世界大戦以前からあった慣行だが、戦後盛んになった。近年、中途採用比率は増加しているが、依然として新卒採用が大手日本企業の人材確保の最大の手段であることにかわりはない。さて、ではなぜ日本企業の人材確保は新卒採用の比重が高いのだろうか。その理由は戦後、解雇が難しくなったことに起因する。第二次世界大戦直後、職を得ることが難しい時期に、GHQの方世界的に見てユニークな雇用システム優秀人材との一期一会の機会 〜新卒採用ジョブ型雇用 新卒採用の今後の方向性と高等教育機関に求められる変化Contribution寄稿人材を社会に輩出する高等教育機関にとって、ジョブ型への移行をどのように捉えていくべきか、教育あるいは学生のキャリア支援にどのように向き合うべきなのか。組織・人事領域の経営コンサルティングの専門家であるマーサージャパンの白井氏に寄稿頂いた。マーサージャパン 取締役執行役員 組織・人事変革事業責任者。30年にわたり組織・人事領域の経営コンサルティングに従事。早稲田大学理工学部卒業、エラスムス大学ロッテルダム・スクール・オブ・マネジメントMBA修了。早稲田大学ビジネススクール非常勤講師。著書に『経営者が知っておくべきジョブ型雇用のすべて』(ダイヤモンド社)、『ジョブ型雇用はやわかり』(日経BP)等がある。白井正人マーサージャパン
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