カレッジマネジメント231号
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21リクルート カレッジマネジメント231 │ Jan. - Mar. 2022側面があります。今までアトラクトの部分は人事が発信していましたが、それだと前述のようにメッセージが大括りになってしまう。自分の専門性を活かしたいと考えている学生に事業や仕事の魅力を正しく伝えるには、各現場の社員が個々の事業や仕事の魅力であるとか、求められる専門性や具体的なジョブの定義等をきめ細かく発信して学生に届ける必要があるでしょう。また、応募してきた学生の専門性の見極めに関しても、当然、人事よりも現場のほうが分かりますから、こちらの関与度も高めていく必要があります」。この方向性で採用活動を行っていくとなると、既存のスキームでは限界がある。テクノロジーを活用したスカウトサービス等の新たな手法を導入すれば、欲しい専門性を備えた個々の学生に対して、ピンポイントにカスタマイズした情報を届けることも可能となり、現場の負荷を高めることなく、採用活動への参入を促すことができるという。さらに、加茂氏は、その先にある新たな採用スキームの可能性も示唆する。「例えば、フランスでは、博士課程の学生が、同時に企業にも在籍し、研究と関連する実務を経験しながら、アカデミックな研究にも取り組むという仕組みがあります。それ以外にも共同研究や長期インターンシップといった方法もあるかと思いますが、学生の段階で企業現場の技術者・研究者と共に実務に関わることで、学生は仕事を、現場の社員は日常業務の中で学生の専門性を見極めることができます。そのうえでマッチングを図れば、より精度は上がります。いずれ理系の専門人材の採用は、このようなかたちに変わっていくのではないでしょうか」。大学には、今後そのような産学連携の人材育成を実現するためのプログラムの開発・整備や、個別の研究室の研究内容に関する企業に向けた情報発信等が求められる。また、学生に対しては、大学院での研究が仕事に直接活かせる道があることを前提として、自らの研究内容を整理し、プレゼンテーションできるよう指導することも大切になってくるだろう。理系人材の就職・採用はまさに大きな変化の途上にある。企業にも、大学にも、学生にも、変わりゆく先を見据えた取り組みが求められている。(文/伊藤 敬太郎)利用している40.4%利用していない59.6%3年ほど前から増加している12.5%変化していない47.5%3年ほど前から減少している20.0%5年ほど前から減少している12.5%10年以上前から減少している7.5%図3 推薦制度の利用状況図4 推薦経由での応募人数の変化出典:人事約100名に実施 推薦動向調査 2021(LabBase調べ)n= 99出典:人事約100名に実施 推薦動向調査 2021(LabBase調べ)n= 40※推薦利用企業のみ対象学生が企業現場の技術者・研究者と共に実務に関わる仕組みも有効第1特集School to Workこれからの就職を俯瞰する

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