カレッジマネジメント231号
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46リクルート カレッジマネジメント231 │ Jan. - Mar. 20221942年の建学以来、マネジメントの総合教育・研究機関として産業界に多くの人材を輩出し続ける産業能率大学。通信教育課程では年齢もスキルも幅広い学生を受け入れる一方、サポート体制や添削指導、スクーリングやオンライン授業における利便性の工夫等により、大学では77.0%、短期大学では66.5%という高い卒業率を誇っている(2021年3月度卒業生)。その取り組みについて自由が丘産能短期大学の池内健治学長に伺った。産業能率大学通信教育課程の在学生は、男女比が男性48%、女性52%(図2)。年齢層は幅広く、高卒から22歳までの層が23%、23~29歳が14%、以降は30代が20%、40代が27%、50代が14%、60代以上が3%という分布で(図2)、社会人としてある程度の経験を重ね次のキャリアを見据える30代から40代の層がその中核となっている。社会に出てキャリアを積むなかで学歴のハードルを感じる高卒・高専卒・専門学校卒者のほか、FPや心理系の資格を身につけるために短大から編入する学生、専門性を身につけるため、またはキャリアチェンジを図るための学びを求める大学既卒の学生等、属性は実に多様だ。彼らがこの時代に通信教育課程を選択する背景には、転職が当たり前の時代となり終身雇用にこだわる人が少なくなってきたこと等、働き方の変化の影響もあるようだ。池内学長はこう語る。「働いている人たちにとっては、4年間を一つの大学で学び続けることはリスクが大きい。会社を変えたいと考えることもあるだろうし、転勤もあるかもしれません。学生と話をしていると、まず2年間で短大卒の資格を取り、卒業時の状況次第であと2年学んで大卒の資格を取る。できればさらにスキルアップを狙って大学院に行く、というように、キャリアパスとともに自分の学習を積み上げようと考える人が多いんです。そうした場合に一番選びやすいのが通信教育課程なのだと思います」。産業能率大学では入学者の受け入れにおいて5つのアドミッションポリシーを定めているが、その根幹にあるのは学力よりも学ぶ意欲である。なかでも「通信教育の場合で一カ所で長期間学ぶリスクを避け通信教育課程を選ぶ人が増えている知識の上積みと精神的な余裕につながる2カ月に1度の科目修得試験「教職協働」による質の高い学生サポート体制の構築で高い卒業率を実現能率科・グローバルコミュニケーションコース・リベラルアーツコース・数字センスアップコース・経営管理コース・女性のためのキャリアアップコース・ビジネス・コミュニケーションコース・心理学基礎コース・健康・福祉マネジメントコース・社会保険労務士コース図1 自由が丘産能短期大学能率科 通信教育課程産業能率大学 自由が丘産能短期大学年齢、世代を超えた様々な立場の学習者が自分らしく学び進められるために何が必要なのか。人や仕組みで学習者を支援する通信制大学・短期大学にその理由を探る。学生の多様性を実現する通信制大学の事例自由が丘産能短期大学池内健治 学長Case Studies_1

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