カレッジマネジメント231号
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49リクルート カレッジマネジメント231 │ Jan. - Mar. 2022「日中フルタイムで働く学生の多くが4年間の標準在学期間で卒業していきますが、これはやはりITの力の賜物だと思います。Cloud Campusなら、いつでも、どこにいてもスマホで直ちに授業に参加できますし、小テストも受けられます。皆さん、通勤中や仕事の合間、仕事が終わった後の夜の時間帯や週末等、色々なシーンで時間を確保しているということでしょう。」Cloud Campusは現在クラウドサービスとして学外に販売されており、大学では約20校、企業でも160社以上、ユーザー数で140万人以上にも上る大きな広がりを見せている。サイバー大学は「株式会社立大学」であり文部科学省からの私学助成金交付の対象外だが、授業料収入に加えてCloud Campusの売り上げがテクノロジーへの継続的投資の財務基盤となっている。この現状は「結果論」と川原学長は語るが、ITに特化した学びを提供する大学が開発したシステムだからこその信頼感が結果的に通信制大学としての成長戦略にプラスの効果をもたらしたことは間違いないだろう。さらに、サイバー大学における学生支援体制の特徴は3つの役職の存在にある。科目別の学習を支援するティーチングアシスタント(TA)、履修科目の選択や履修継続のためのアドバイスを行うラーニングアドバイザー(LA)、そして卒業までのキャリアを円滑に進めるための戦略を共に考える学生サポートセンターのスタッフだ。76.0%という高い卒業率(2021年3月時点)は、この3軸によるサポート体制によるところが大きいと川原学長は語る。とりわけ学生の学びを傍らで支える存在となるTAの存在は重要だ。サイバー大学の講義は全てがオンデマンド配信であり、学生はそれぞれ自らのスケジュールの中で自由に受講時間を決めることができる。ただし各授業には出席認定期間が設けられており、通常各科目の授業は配信開始後2週間のうちに受講しなければ出席したことにならない。授業の最後には小テストがあり、出席の有無と授業内容の理解度の確認を行う。TAはこの過程で進捗が遅れている学生に対してメール等でリマインドし、教員とは違う視点から学生へのアドバイスを行っている。通信制高校が全国的に増え続けるなか、今後そこに通う高校生達が進学先として通信制大学を選ぶことが自然な流れになるだろうと川原学長は言う。オンデマンドという特性上、高校新卒で入学し、日中仕事をしながら学びを進められれば、卒業時には学歴と職歴の両方が手に入り、その後のキャリアアップやキャリアチェンジもより有利に進められる。そんな学生を増やしたいという期待も込められている。学びを求める学生の属性だけでなく、学びと向き合うスタンスや卒業後の歩みにおいても、通信制大学は多様な可能性に満ちているということだろう。(文/高橋晃浩)独自の学生支援体制を特徴づける3つの役職の存在通信制高校が増えたことで通信制大学を選択する学生も増えるはず図2 在学生の内訳0102030405060代~50代40代30代20代10代●年代別●男女比(%)女性26.8%男性73.2%11.246.215.816.58.12.2通信制大学は、なぜ学生の多様性が実現できるのか?第2特集

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