カレッジマネジメント231号
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5リクルート カレッジマネジメント231 │ Jan. - Mar. 2022イノベーションによる経済発展と社会課題解決を両輪で推進すべく、Society5.0への一歩を踏み出した矢先、追い打ちをかけるように拡大したコロナウイルス感染は、その社会の変化を減退させたり、加速させたりした。そして、ポストコロナ期に移ろうとする今、強靭でありながら環境変化にしなやかに適応できるように、社会全体が、改めて中長期的な計画を立て直している。個人も、先の見えないなか、心身ともに豊かな、自分ならではのWell-Beingを模索し始めている。社会は全く以って予測困難であることを誰もが身に染みて実感し、個人の生き方、自分自身の将来について、誰もが改めて考える時を得たのが、まさにこの数年だと言えるだろう。そして、大学で学ぶ学生達一人ひとりもまた、自分らしいキャリアとは何か、そして働くとは何か、就職することの意味等を、あれこれと考える内省の時間になったのではないだろうか。今年の春もまた、学生達のほとんどが、一斉に、「学ぶ」日々から、「働く」日々へのスタートラインに立とうとしている。しかし、この「一斉に、誰もが」という、これまでの日本の就社・就職の景色は、そういった社会や個人の変化を映し出し、少しずつ変わろうとしている。企業は、社会の変化に柔軟に対応し、スピーディな変革を可能にする組織や雇用のあり方を戦略的に実現しようとし、学生も、自分らしく輝ける、明るいキャリアが見通せる仕事・会社で力をつけることで、「新しい安定」を得ようとしているようだ。そして、そんな学生の力を育成し、その成果を明確化・可視化することで、社会・企業から正しく評価されるように支援する大学の動きも、進化しようとしている。企業の採用にとっても、学生の就職にとっても、そして大学の教育や学生支援においても、今は過渡期。だが、恐らく数年後にはここが転換点であったと言われるのではないか。そんな思いから、新しいSchool to Workへと舵を切ろうとしている、就職・採用の今を特集した。

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