カレッジマネジメント231号
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7リクルート カレッジマネジメント231 │ Jan. - Mar. 2022小林:学生の就職活動の動向に変化は見られますか?増本:コロナ禍前は減少傾向にあった就職活動における行動量(応募数や面接を受ける数)が、21年卒以降増加しています。社会情勢への不安に加え、オンライン化による移動コストの減少が影響していると思われます。移動のハードルが低くなったことで、キャンパス所在地外での就職を希望する学生にとっては、機会が広がったと言えます。また、地域内で採用計画数を充足できず、地方の学生の採用にも注力する企業がコロナ禍前から首都圏を中心に増えており、そうした企業から「オンライン化はチャンス」という声をよく聞きます。ただし、近年、学生の就職先選びは地元志向は変わらないものの、大学のキャンパス近郊に選択する傾向があります。学生に大学のキャンパス所在地別にその地域に就職したか、地域外に就職したかを聞いた調査において、ここ3カ年の変化を見ると、「首都圏」「首都圏外」ともにキャンパス所在地域内での就職が増加しており、22年卒ではその傾向が少し強まっています。小林:コロナ禍で学生の「安定志向」が高まっているとよく聞きます。実際にそうなのでしょうか。増本:いつの時代も学生は「安定志向」。多くの学生が名の知れた大企業を志望する傾向は変わりません。さらに、コロナ禍で不安定な状況の中そのような心理が強まったのか、22年卒では、従業員5000名以上の企業に就職を希望する学生の割合が例年以上に高くなっています。図1 面接の実施方法と実施手段の変化1次面接の手段は「Webのみ」と「対面のみ」に大差はなく、最終面接は「対面のみ」が突出して高い。2論点VUCA時代における、学生の職業志向のトレンドとは?全体対面のみで実施Webのみで実施場所によって対面とWeb を使い分ける時期によって対面とWeb を使い分ける候補者によって対面とWeb を使い分ける未定1次面接n=196229.932.817.2 16.813.85.5最終面接n=196262.98.212.0 13.610.03.9リクルート『2022年卒採用の中間報告と2023年以降の就職・採用の展望(新卒採用セミナー資料)』●面接実施手段(%)※面接実施手段: 2022 年卒採用実施企業/複数回答School to Workこれからの就職を俯瞰する第1特集

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