27リクルート カレッジマネジメント232 │ Apr. - Jun. 2022新設・改組を第一に社会に応じた改革を進めてきたのは、「学部を基盤とした大学だから」だという。「本学は大学院生に比べて圧倒的に学部生の人数が多いうえ、大学は学生の授業料で成り立っているのだから、新しいことに挑戦するならステークホルダーである学部学生に還元する価値として学部を改革していく以外にありません」と矢口学長は説明する。学校法人東洋大学中期計画「TOYO GRAND DESIGN 2020-2024」において研究に関する計画を第一に記しているのも、学部教育の高度化を目指す所以だという。「時代の変化が激しい中、社会課題や世界的な課題をとらえて教育に取り組むには、大学院の研究の充実が不可欠。研究の高度化が教育の高度化を牽引し、研究活動と教育活動の高度化が地域貢献・地域連携活動の高度化を推進するという考えのもと、研究の高度化と多くの優秀な教員の研究の社会実装に取り組んでいきたい」と意気込む。このように絶えず学部・学科の新増設・改組が計画され、着実に実行されていく背景には、改革の歩みを止めない組織風土があるという。「すいすいと泳ぐ白鳥が水面下では大変なスピードで足を動かしているように、改革のための検討や会議、ワーキンググループの活動をたゆまず進めており、それはコロナ禍においても変わりません」。さらに、その動きを支えているのが教職協働だ。「教員はカリキュラムや科目、人事の検討等、改革のための業務を日常業務として行い、職員はそれを事務的な面でサポートしている。教職協働が機能していることが、動き続けられる要因になっています」と矢口学長は言う。加えて、「改革というと新しい突飛なことをやる印象があるかもしれませんが、実は改革そのものが、本学の伝統を見つめ直し、守る機会となっています」と矢口学長は話す。その理由を「新増設・改組という改革においては、まずは『何のための改革か』『何を目指した学部・学科にするのか』『どういう学生を育てるのか』を考えることが必須。その時に軸になるのが、『諸学の基礎は哲学にあり』をはじめとした建学の精神です。改革の度に本学の根幹たる精神を見つめ直し、それを現代に再解釈するとどうなるのか、例えばスポーツ科学の分野でどう実現するのか、福祉の分野ではどうか、といったように、改革における不変の軸足にしています。かつての創立者たちの思いを現代社会の課題と重ね合わせて練り直しているから、ぶれずに一体的な改革が推進できるのです」と説明する。「改革によって伝統を現代化するチャンスを絶え間なくもらっていると考えています」と話す矢口学長。今後も続く学部改革の成果に期待が膨らむ。(文/浅田夕香)改革が伝統を現代化し、守っていく表 近年の主な新増設・改組(今後の予定含む)2005年白山キャンパスで文系5学部の一貫教育開始朝霞キャンパスにライフデザイン学部を設置2009年工学部再編→理工学部設置川越キャンパスに総合情報学部を設置生命科学部に応用生物科学科、食環境科学科を設置ライフデザイン学部生活支援学科に生活支援学専攻、子ども支援学専攻を設置国際地域学部を白山第2キャンパスに移転2013年板倉キャンパスに食環境科学部を設置国際地域学部、法科大学院を白山キャンパスに移転文学部に東洋思想文化学科を設置2014年文部科学省「スーパーグローバル大学創成支援事業<タイプB>」採択2017年赤羽台キャンパス開設→情報連携学部、情報連携学研究科を設置白山キャンパスに国際学部、国際観光学部を設置文学部に国際文化コミュニケーション学科を設置2021年ライフデザイン学部、ライフデザイン学研究科を赤羽台キャンパスに移転社会学部に国際社会学科を設置2023年赤羽台キャンパスに福祉社会デザイン学部※、健康スポーツ科学部※を設置予定 *構想中2024年生命科学部、食環境科学部を朝霞キャンパスに移転予定生命科学部に生体医工学科※、生物資源学科※を設置予定 *構想中食環境科学部にフードデータサイエンス学科※を設置予定 *構想中※学部・学科名称は仮称であり、計画内容は変更となる可能性があります。01特集正解がない時代の「学びのデザイン」
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