カレッジマネジメント232号
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39リクルート カレッジマネジメント232 │ Apr. - Jun. 2022(イラスト/cotonxcoton TOM)高校生の進路の意思決定において、多大な影響力を持つ最強のステイクホルダーたる保護者。保護者が、大学をはじめとする高等教育の現状をどのように認識し、その上で子どもとどのようなコミュニケーションをしているかを正しく捉えることは、大学の募集戦略において重要であることはいうまでもない。社会の変化・進化のスピードが速まる今の時代においては、高校生にとって最も身近な社会人である保護者の視線や行動、発言は果たしてどのような影響を及ぼしてしているのだろうか。そして、この2年以上にわたり家庭内の家族間の密度を変えてきたコロナ禍は、進路に関する親子のコミュニケーションにどのような変化をもたらしているのだろうか。 リクルート進学総研と一般社団法人全国高等学校PTA連合会は、高校2年生とその保護者に対し、進路に関する考え方やコミュニケーションの実態を探る調査を2003年より隔年で実施している。本特集では、新型コロナウイルスの影響を受けながら高校生活を送ってきた高校2年生とその保護者を対象に実施された最新の調査の結果の中から、保護者が大学の教育内容や支援に対して持つ期待や不安に着目するとともに、高校生と保護者との間において進路に対していかなる向き合い方をしているのか、その変化に着目。また、保護者の思いや考え、あるいはニーズに寄り添いながら、進化する大学のあり方を積極的に発信する大学の事例も取材した。保護者の中心世代も替わり、生きてきた社会背景等に応じて価値観も変わっている。保護者自身の人生観や社会との向き合い方も変わる。そんな保護者と高校生の進路選択への意識を踏まえつつ、保護者に対して、大学は何を伝えていくべきなのかを考えるヒントとなれば幸いである。

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