40リクルート カレッジマネジメント232 │ Apr. - Jun. 2022保護者は大学に何を期待しているか●Interviewコロナ禍にある今、受験生を持つ保護者達は、子どもの進路選択に対してどのようなまなざしを向けているのだろうか。そして進学先である大学の改革やコロナ禍における変化対応に対して、どのような期待を持っているのだろうか。高校生の子を持つ3名に話を伺った。娘はしっかりした考えを持っている子で、中学の頃から将来は中国語を学べる大学に入学したいと話していて、国際交流の制度があってなおかつ志望大学の推薦枠がある高校を選びました。娘が高校1年生の時に私達がホストファミリーとなり、ニュージーランドと台湾の高校生をホームステイで受け入れました。そしてその年の12月には娘が台湾にホームステイに行くことに。この経験で中国語を学びたいという思いが一層強くなったようです。志望校は早い段階から決まっていたので、娘とは3年生になった頃から今の成績で推薦が取れるかどうかを話しながら、娘の本気度を測っていました。同時に私は娘の志望校を含むいくつかの学校のカリキュラムを調べるために学校のホームページを閲覧しました。ところがホームページ上ではどこもカリキュラムについてはさらっと触れている程度で、詳しいことは分かりませんでした。そしてホームステイ以降、娘は台湾への関心を高めているので、それぞれの大学がどのような国際交流を行っているかも調べました。ただ、保護者として最も気になったのは就職についてです。学生はどのような企業に就職しているか、大学はどんな企業とつながりがあるのか。そして、就職について一人ひとりの学生にしっかりしたサポートをしてもらえるかなどは、なるべく詳しく、分かりやすい形で公開して頂けたらと思います。今はあらゆる分野でITが切っても切れない存在になり、大学でもPCを使うのは必須となっています。コロナ禍でリモート授業が行われたことで高校生もPCに触れていますが、理解度には差があります。大学に入ってからも、PCに不慣れな学生に対してどのようなフォローを行っているか。そして社会で求められるITリテラシーを大学でどこまで学べるかは、これからの教育において期待したいことです。娘が高校に通った3年間で感じたのは、大学の情報が高校を通して保護者に伝えられる機会があまりなかったということです。私はPTAの活動をしていたのでまだ少しは情報を得ることができましたが、そうでない場合は情報が入ってくることはあまりなかったのではないでしょうか。もちろん大学は高校に情報を伝えているのでしょうし、子ども達にはそれが伝わっているのかもしれません。今後は保護者にも情報が伝わるような活動を広げてほしいと思います。現在は警備の仕事に従事。4人のお子さんがいて、2021年度は高校3年生の次女と中学3年生の3女がダブル受験に。次女は社会科の教師、あるいは中国語を生かした仕事に就くことを目指して文学部アジア文化専修(中国語文化コース)に進学。大阪府/大学進学希望・女子の父親谷口直樹さん(52歳・会社員)「リモートが標準の今だからこそ学生に対するIT教育の中身が知りたい」大学のコロナ対応の基準を詳細に公開してほしいコロナ禍でほとんどの大学でリモートでの講義を余儀なくされました。対面授業を再開した学校も多いと思いますが、どういう状況になったら対面から再びリモートに切り替わるのか、等が知りたいですね。保護者としても、自ら情報を情報を取りにいくべき時代にありますが、さらに詳しい情報提供があると保護者の立場としても安心します。大学に求める情報発信
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