カレッジマネジメント232号
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46リクルート カレッジマネジメント232 │ Apr. - Jun. 2022時代や仕事についての会話や、経済や社会の動きに関する会話も増えています(図2)。小林:少し先の将来や社会の話の比重が以前よりも増えている背景には、どのようなことがあるのでしょうか。赤土:これもコロナ禍によって、保護者との日常会話の内容が変化したことと相関があるのではと考えています。高校生に「コロナ禍における保護者との会話の内容について」の増減を尋ねたところ、「増えた」のトップは「社会や政治の話」(31%)でした(図3)。コロナをきっかけに社会の様々なことに関心を持ち、保護者と会話したことが、進路に関する話題の多様化にもつながったのではないでしょうか。もうひとつ、家庭での相談相手が増えたことも、進路に関する会話の変化に影響していると考えられます。高校生が進路について相談する相手を尋ねたところ、「母親」(85%)が突出して高いのは変わらないのですが、「父親」(46%)、「兄姉」(17%)が増加しました(図4)。母親とは異なる視座からアドバイスを受けたり、専業主婦世帯では母親からは聞けない仕事に関するリアルな話を父親から多く聞いたりしたことが、話題の多様化や、長期的、俯瞰的な会話の増加につながっているのかもしれません。小林:前回調査と比較し、子どもの進路選択についての保護者の理解や態度に変化はありますか。赤土:子どもの進路選択の悩みや不安を保護者が知っているかどうかを尋ねたところ、高校生、保護者共に約7割が「知っている」と回答し、時系列で増えています。図3 新型コロナ感染症の影響による親子の会話内容の変化増えた会話内容は「社会や政治に関する話」「将来や進路に関する話」増えた・計減った・計28.52.831.52.029.01.726.21.826.06.124.22.524.12.415.36.0無回答とても減ったやや減ったあまりかわらないやや増えたとても増えた増えた・計減った・計凡例(%)※【全体的なコミュニケーション量】以外の項目は、「増えた・計」降順ソート6.97.76.04.86.65.85.23.411.978.33.70.418.973.11.80.318.472.91.50.419.367.53.92.32.31.00.60.421.471.71.00.323.069.01.20.40.40.823.766.11.10.521.568.42.10.30.70.9友達や恋愛に関する話勉強に関する話家族や、家族の仕事に関する話学校や部活動に関する話心や健康に関する話将来や進路に関する話社会や政治に関する話全体的なコミュニケーション量「自分のやりたいことをしなさい」回答者高校生02保護者は子どもを知っている

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