カレッジマネジメント232号
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55リクルート カレッジマネジメント232 │ Apr. - Jun. 2022跡見学園女子大学02特集大学の改革は保護者に伝わっているか入試課長障子 恵 氏跡見学園女子大学は、今年度から初めて「受験生の保護者対象ナイト説明会」を開催した。「跡見学園は、1875(明治8)年に開校した、日本人女性が作った日本初の私立女子教育機関です。皇族・華族とも関わりがあったことから、昔は歴史のあるお嬢様学校というイメージであったが、今は跡見をご存じない若い保護者の方も多い。もっと本学を知ってほしい」と障子 恵入試課長は語る。オープンキャンパス(以下OC)で保護者向けの説明は行っていたが、OC はどうしても受験生優先になる。一方で、在学生の保護者向けに教学説明会や就職説明会を開催すると参加者は増加の一途で、これは保護者が大学のことを知りたいという表れだと感じていた。それならば保護者にフォーカスした機会を設けて必要な情報を伝えれば、安心して大学へ送り出してもらえると考えたのだ。ナイト説明会は、保護者が仕事帰りに気軽に立ち寄れて、帰宅にも支障のない17:30 から2 時間に設定した。歴史を含む大学紹介のビデオの上映、教育理念、学部学科構成、学生支援・就職支援体制の説明、学生によるゼミ紹介、キャンパスツアー、個別相談という流れで、短時間で同学について理解してもらえる内容を心がけた。「女子大を選ぶ層は保護者の影響力がある」(障子氏)としたうえで、保護者が最も心配するであろう大きな2点、①大学としての学生生活の支援体制、②就職課のフォローアップ体制に特に力を入れて説明している。教職員が連携し、さらに企業や地域、自治体、警察等、社会ともつながりながら、学生に寄り添う支援体制づくりを目指していることを伝えた。こうした対応に保護者からは、「手厚いサポート体制があり、安心して子どもを任せられる」「コロナ禍で就職が心配だったが、分かりやすい説明で来校してよかった」「想像していたより良い大学だった」など、総じて好意的であることがアンケート結果からも分かった。ナイト説明会は時間的制約もあるので、保護者への説明はナイト説明会とOCの一体化で捉えているという。「特に学び方は、座学中心であった保護者の時代とは随分変わったので、口頭で説明するよりもOCでお子さんと一緒に体験してもらう方が効果的。今年は入試課の若手女性職員が企画した模擬ゼミを体験して頂いたところ、大変好評でした。また、入学後、学生生活で困った時の相談窓口が分からないことも保護者の不安の一つ。保護者が安心して本学へ送り出していただけるよう、今後も丁寧に対応したいと思います」(障子氏)と話す。(文/能地泰代)保護者向けであることを明確に打ち出したナイト説明会のPRチラシ。保護者が仕事帰りに気軽に立ち寄れる「ナイト説明会」短時間で大学理解を深める機会を作る

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