高校生ファンの増加が中長期の来場者増につながる特集0131(画像提供:ユー・エス・ジェイ)る販売数に達したという。「年間パスの売れ行きにも驚きましたが、それよりうれしかったのが、『ユニ春』の認知度が高くなっていることでした。SNSには『ユニバろうよ』『今ユニバっているところ』等のメッセージがたくさん書き込まれていて、取り組みが浸透してきたと実感しています。春、友達と年間パスを買えば、今後1年間の一緒に遊ぶ理由と絆が途切れない確証を得られ、USJで遊ぶことでさらに絆を深めることができます。実際、来場者のなかには定期的にUSJを訪れ、同じ場所で同じポーズをとって写真を撮る人も少なくありません。年間パスの売れ行きは、『友人との絆を深める場』という私たちの価値を証明するデータになっているのです」USJにおける中高生の来場者は、ファミリー層や働き盛りの女性層ほど多くはない。しかしUSJでは、中高生を非常に重視している。「学生時代にUSJを好きになった人達は、学校を卒業後、長きにわたって来園が期待できます。また、彼らは学生ならではの視点で新たな遊び方を教えてくれる、貴重な存在でもありますね。特に頼もしいのはSNS上での拡散力です。若い世代が発信した楽しみ方が口コミで広がり、USJの人気向上に寄与するケースは、今後さらに増えるだろうと考Universal Studios Japan TM & © Universal Studios. All rights reserved.Universal Studios Japan TM & © Universal Studios. All rights reserved.えています」高校生の市場には、流行の移り変わりが激しく従来のセオリーがすぐ通用しなくなる等、特有の難しさもあると佐藤氏。そこでTEENチームの担当者は、10代の市場分析と、リアルな最新情報をキャッチする努力を重ねている。今後は、「USJは友人との絆を深められる場」という訴求をさらに続けるだけでなく、来場しなくてもUSJを身近に感じられるような施策も考えている。「若い世代のなかでのマインドシェア、即ち、消費者の心のなかでUSJがどのくらいの割合を占めているかという観点が大事だと思っています。短期的な来場者を増やすだけでなく、『友達と一生モノの絆を作れる場』と認識して頂ける人を全国的に増やしたい。そうすれば、中長期的な来場者数も増えるはずです」コロナ禍で「リアルな場」としての存在意義が揺らぐなか、10代の人々のインサイトをつかみ、自らの提供価値を明確にし、いち早く具現化したUSJ。そのブランディングがもたらす示唆は大きいのではないか。 (文/白谷輝英)リクルート カレッジマネジメント234 │Oct. - Dec. 2022写真や動画を撮影する等、若い来場者はめいめいのやり方で USJ を楽しんでいる。最近、SNSで投稿することを考慮した「顔を隠すポーズ」が流行しているため、左の写真では、顔の前でハートを作るポーズで撮影している。このスポットは映える上に自由度が高いため、何の変哲もない芝生はUSJ内で人気の撮影スポットである。画一的なやり方を押しつけるのではなく、高校生の自然な発想に委ねることが、ブランド確立には重要なのかもしれないUSJは大阪公立大学と共同で、通年講座「ユー・エス・ジェイ式 観光マーケティング学」を開講中。観光業の担い手を育てるため、現役のマーケティング担当者が実践的なノウハウを教えるもので、広く注目を集めている試みだ大学ブランドを決めるドライバー
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