カレッジマネジメント234号
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地域社会や産業界との連携したプログラムが拡がる特集0139すます重要になってくると考えられる(参考:図1)。2点目が、サポート体制である。就職率や資格取得率だけではなく、なぜ就職率が高いのか、資格が取得できるのかという理由をしっかりと見せていくことである。特に女子はサポート体制を気にかけている。オープンキャンパスでの説明時間について、女子は男子の2倍時間がかかるといわれている。男子は、その大学や学部の一般的な就職率や就職先を聞いて納得してしまうケースも多いが、女子はなぜ資格の合格率が高いのか、どのようなサポートがあるのかといった、「私」がどうなれるのかといった視点での説明が重要なのだそうだ。メンター制度やピアサポート、Wスクール等、サポートが分かりやすく表現されている大学の支持が高くなる傾向がある。3点目は、人生100年社会のなかで、単に就職という点社会や企業のニーズに対応した 教育プログラムの迅速な構築・充実データサイエンス・AI等のエキスパート 人材育成に資する教育プログラムの構築ダブル・メジャー、ダブル・ディグリー、 ジョイント・ディグリー、学部の枠を 越えた学位プログラムの構築課題解決型の教育プログラム (PBL等)の充実IT教育・AIリテラシー教育の推進文理の枠を越えた リベラルアーツ教育の充実教育における産学連携の充実 (キャリア教育等)実践的なリカレント教育プログラムの充実専門教育の充実英語で授業を行う科目の拡大特にない※3つまで選択17.68.08.01.6出典:日本経済団体連合会「採用と大学改革への期待に関するアンケート」2022年1月ではなく、卒業後に社会で活躍できる力を身につけられるかといった点である。注目されているのは、企業や地元産業界、地域社会との連携によって、社会で求められる資質・能力を育んでいこうとするものである。正課のPBLやインターンシップ、ボランティア、正課外活動等様々な取り組みがされているが(参考:図2)、重要なのは学生個人ではなく、大学がプログラムとして実施し、学生へのフィードバックやリフレクションを通じて、学生に目的や成果を自覚させることである。2022年には「採用と大学教育の未来に関する産学協議会(産学協議会)」が学生のキャリア形成支援活動を類型化し、インターンシップの定義を見直して推進することを明確にしている。こうした動きにより、大学と地域・企業・コンソーシアム等が連携したキャリア形成プログラムが、より前向きに実施されることが想定される。新たな動きを大学がうまくキャッチアップできるかどうかも、今後のブランド力向上の要因となりそうだ。43.941.429.727.326.221.1(%)67.9(文/小林 浩)図2 企業は大学の教育プログラム面でどのような改革を期待しているのか「課題解決型の教育プログラム(PBL)」がトップだが、「IT・AIリテラシー教育の推進」が4割超に大学ブランドを決めるドライバー​

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