カレッジマネジメント234号
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3Driver高度成長期の人口集中への対応規制緩和の流れ鮮明に主体的・能動的な学びへの対応デジタル社会に対応した学びの場の創造42考察ブランドの変遷を左右してきた4つのドライバー人口集中の抑制、主体的・能動的な学びへの対応、コロナ禍を経て急速なデジタル化の対応へ「キャンパスがきれい」「自宅から通える」「交通の便がよい」「勉強するのに良い環境である」「学修設備や環境が整っている」等、学ぶ場に関する項目は多く、重視する高校生も多いが、下の図に示している通り、大学のキャンパスについては、時代によってその価値が大きく変化してきている。1960年代の高度成長期には工場等制限法によって、大都市部におけるキャンパス設置や学部増が禁止され、郊外キャンパスが増加した。2002年には小泉改革の一環として、工場等制限法が廃止され、その後、キャンパスの都市部回帰が積極的に進められるようになった。2015年には小誌195号で「都市部を目指すキャンパス」という特集を組ん1950〜60年代2002年〜2010年代2020年以降だ。この特集で、都市部と周辺部の収容定員の変化を算出したところ、関東・東海・関西いずれの地域においても、キャンパス再配置によって都市部の収容定員が増加したことが明らかになった。一方、キャンパス移転によって高校生の支持が高まると、志願倍率が高まるが、その効果は一時的であり、キャンパス移転のみでは高校生の支持を集め続けることは難しいことも明らかになっている。2010年代になると、アクティブ・ラーニングが積極的に導入され、主体的・能動的な学びの実現を考慮したキャンパス設計が進められている。ラーニング・コモンズやグローバル・コモンズのような、学生が集い、学び、発表し、交流す工場等制限法により、都市部でのキャンパス設置や学部増設が禁止。学生数の増加に対応するため、郊外に大学キャンパスが増加工場等制限法が廃止。キャンパスの都市部回帰が始まるアクティブラーニングに対応した教室の設置や、図書館がラーニングコモンズ、グローバルコモンズといった新たな主体的・能動的な学びの場にコロナ禍で一気に進展したオンラインへの対応、ミネルバ大学など新たな学びの形態に対応した、ハイブリッド型の新たな学びの場の創造。集まる場としてのキャンパスの価値(編集部作成)年代ごとの学ぶ場の価値の変遷onsiderationコロナ禍で進んだオンライン化。だからこそ改めて期待される集う場としての価値の創造学ぶ場の価値の創造C

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