カレッジマネジメント234号
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高校での「主体的・対話的な学び」が接続されるキャンパスに特集0143学習や研究のしやすさに関係なく、リ モートで学習や研究に励みたいリモートのほうが学習や研究が行 いやすいため、全てリモート対 応としてほしいリモートでも十分に学習や研究 を行えるため、対面でないとでき ないものを除き、大部分はリモー ト対応でよい学習や研究の内容によって、リモートで 十分な(あるいはリモートが望まし い)ものと、対面が望ましいものがある ため、適宜使い分けてほしいる新たな場作りに注目が集まるようになった。毎年弊社が実施していたトレンド発表会では、2015年、進学領域のトレンドを「LIVEラリー」とし、図書館が主体的・能動的な学びの場に変化していることを社会に発信した。そして、2020年には新型コロナウイルス感染拡大という、これまでに経験したことのない事態に直面することになる。まさに“三密”を回避するために、通学が禁止され、正課外活動も制限されるようになる。授業は試行錯誤を経ながら、強制的にデジタル化、オンライン化が進められた。コロナ禍3年目となった現在では、ストリーム配信型、オンデマンド型、ハイフレックス型とオンライン授業も多様化し、その功罪も整理され、知見も蓄積されてきた。学生支援システムもデジタル化が進み、LMS等によるサポートも定着しつつある。学生にとってみれば、オンライン上で授業に出席でき、レポート提出や教職員からのフィードバック大学での授業や研究活動に対する考え方(単一回答)12.36.0(%)13.5リモート志向31.8(n=2000)29.2(三菱UFJリサーチ&コンサルティング2022年5月「コロナ禍の下での大学生等の生活実態と人口移動の動向に関する調査報告」より抜粋)リモートでは学習や研究が深まらないた め、全て対面での活動に戻してほしい16.8対面志向39.218.3リモートでは学習や研究が深まらない ことが多いので、一部リモート対応を 残してもよいが、大部分は対面での 活動に戻してほしい4.1学習や研究のしやすさに関係なく、 キャンパスで学習や研究に励みたい活動のしやすさに関係なく、リモート で活動したいリモートで十分活動可能なため、完全に リモートでの活動でよいリモートで概ね支障なく活動できる ため、対面が効果的である場合を除き、大部分はリモートでの活動でよい活動のしやすさに関係なく、 対面で活動したいもできるという点では利便性が高まったといえる。では、キャンパスはいらなくなってしまったのだろうか。それは否であろう。2022年の学校選択重視項目では、「キャンパスがきれい」の順位がアップした。これは、単にきれいなキャンパスを求めているということだけではなく、オンラインが浸透し、その価値を実感しているからこそ、敢えてリアルに集まる学びの場としての新たな価値を学生達が渇望しているという表れだと考えられる。2010年代に進められた主体的・能動的な学びは、高校の新学習指導要領では「探究」という自ら問いを見つけ、解決しようとする授業として推進されている。2025年にはその世代が大学に入学してくる。彼らが大学入学後にがっかりしない教育をすることが重要だ。さらに、これからはメタバースの時代が到来するともいわれている。そうした時代だからこそ、デジタル化・オンライン化をうまく活用しながら、10代後半から20代前半という多感な時期を過ごすキャンパスという場の価値をどう作っていくのか。どの大学においても、新たなチャレンジとなるだろう。12.97.1(%)30.6リモート志向34.7対面志向65.514.7(n=2000)9.325.6リモートでは活動できない ため、全て対面での活 動に戻ってほしいリモートでは活動しづらい部分があるた め、一部リモート対応を残して、大部 分では対面での活動に戻ってほしい(文/小林 浩)コロナ禍における大学の授業や研究活動、課外活動における学生の考え方授業や研究活動はリモート志向と対面志向が均衡、一方で課外活動は対面志向が過半数に大学ブランドを決めるドライバー​課外活動に対する考え方(単一回答)

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