3Driver学ぶ場の価値の創造2021年、みなとみらいキャンパス開設多様な人が交流する「知の拠点」を目指す44考察ブランドの変遷を左右してきた4つのドライバー神奈川大学は2021年4月、横浜市のみなとみらい地区に地上21階、地下1階の都市型キャンパス「みなとみらいキャンパス」を開設した。ビジネス、商業、観光の中心地であるみなとみらいの特性を活かし、「この街すべてがキャンパスだ」を標榜するこの新拠点は学生募集にどのような影響をもたらしたのだろうか。同大学が長年課題としていたのは女子学生の獲得。事務局次長の福元摩湖氏は同大学の取り組みをこう振り返る。「かつては、本学はどちらかというと男子が進学する大学というイメージがありました。そこで、女子が学びたい内容の学部・学科を作ろうということで、2006年に人間科学部を開設。さらに外国語学部に国際文化交流学科(2020年から国際日本学部)を開設しました。その後も継続的に女子学生比率を高めるための施策を進めています。みなとみらいキャンパス開設もその一環です」その結果、女子学生の比率は年々着実に増加(図)。2013年度と2022年度を比較すると、女子学生比率は27.0%から32.0%へと5ポイント上昇した。入試センター所長の駒走昭二教授はその要因を以下の4つに整理する。①建築学部の開設(2022年4月、学科から学部に昇格)②人間科学部で国家資格・公認心理師対応カリキュラムがスタート(2020年度)③地元高校生へのアピール④みなとみらいキャンパスの開設(2021年4月開設)「建築は一般的に男性的なイメージがありますが、暮らしに関わる分野ですから、当然ながら女性の視点も求められます。学部化したことで、学びの多様性を女子にも訴求しやすくなったと思います。また、公認心理師も女性に人気の高い資格。さらに、一般的に女子生徒のほうが地元志向が強いこともあり、地元高校生へのアピールも女子の志願者増につながっています。加えて、新キャンパスですね。女子生徒は、やはり『きれいなキャンパスで学びたい』『おしゃれな街で学生生活を送りたい』という志向が強い。2020年度の志願者増には、翌年の新キャンパス開設が大きく影響したと分析しています」みなとみらいキャンパスには、経営学部、外国語学部、国際日本学部というグローバル系の3学部が置かれている。2020年に新設した国際日本学部の検討とあわせて、「グローバル教育にふさわしいキャンパスを」という狙いでみなとみらいというエリアを選択したと福元氏。近隣には国際日本学部教授入試センター所長駒走昭二 氏事務局次長福元摩湖 氏onsideration明確なコンセプトに基づき設計された新キャンパスが女子志願者増の要因に神奈川大学C
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