カレッジマネジメント234号
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ターゲット4Driver差別化(異質性)広い狭い差別化戦略差別化集中競争手段の優位性コストリーダーシップ戦略集中戦略コスト集中コスト(同質性)46考察ブランドの変遷を左右してきた4つのドライバー大規模大学は同質化によるコスト・リーダシップ、中小規模大学は差別化集中戦略へ以前、小誌で認証評価の特集をした際、認証評価の問題点を専門家に尋ねたところ、返ってきた答えが「大学名を隠すとどこの大学だか分からない」というものだった。専門家でさえそうなのであれば、進学しようとする高校生には大学ごとの違いが伝わるはずはない。大学の数は、保護者世代が学生だった1990年の507校から2021年は803校に増加、学部の名称は29種類から700以上にまで広がっている。18歳人口増加時には、他大学の成功事例を真似る「同質化戦略」が効果的だった。全国に「ミニ東大」「駅弁大学」と呼ばれるような大学が数多く設立されても学生は集まった。しかし、18歳人口が減少し、マーケットが縮小するなかでの「同質化戦略」は、コスト優位性が活用できる大規模総合人気大学には効果が期待できるが、それ以外の大学では効果は期待できない。期待できるとしても、併願校として第2志望以下の高校生の獲得である(参考:図1)。図2は、リクルート進学総研が、高校卒業時に進路選択活動全般について調査している「進学センサス」から、大学・短大・専門学校各学校種へ進学した学生に、その学校種に進学することのメリットを聞いたものである。上位10項目を抜き出したが、興味深いのは「そこでしか学べない内容がある」が短大で5位、専門学校では7位に入っているが、大学では10位にも入っていないことである。大学は、偏差値による単純な序列化や、グルーピングによって、選ばれることも少なくない。以前から、「MARCHに行きた(編集部作成)図1 マイケル・ポーターの競争戦略onsideration重要なのは「インナー・ブランディング(コミュニケーション)」まず学内で「強みの共通言語化」はできているか強みの創造と差別化戦略C

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