カレッジマネジメント234号
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55 志望分野や志望校の検討等、高校生の進路選択行動が年々早まっているというリポートは、小誌でも調査の結果とともに過去何年にも渡ってその実態をお伝えしてきた。各大学においても、進路選択行動の早期化を前提とした募集コミュニケーション戦略を検討・立案されてきたと思われる。その判断の背景としては、18歳人口の減少を踏まえた学生募集競争の激化、多様な価値観を持った人材が集まり新たな価値を創造するキャンパスを実現するという観点から総合型選抜や学校推薦型選抜を活用しよういう改革方針等があるだろう。また、中等教育段階で実施されてきたキャリア教育や、探究学習の成果によって、高校生自身が早くから自身の今後の方向性を考えようという思考が醸成し、具体的な進学先検討の行動に結びついてきたこともあるかもしれない。 今年7月に、リクルート進学総研において発表した「リクルート 進学センサス2022」の結果においても、早期化の傾向はさらに進んでいることが分かった。今回の調査においては、年内入試の入学者比率の増加、第一志望校への入学者の増加等、早期化の状況が具体的な数字の形でこれまでにない変化として明確に表れることとなった。また、高校生個人が活用する入試方式についても、多様化が進むことによって挑戦の機会が増えている一方で、結果的に受験の時期が長期に渡ることにもなっているようだ。 大きく変化しているその実態について、定量・定性両面の情報から見てみたい。リクルート カレッジマネジメント234 │Oct. - Dec. 2022

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