67ではの評価方法についての見直しは加速していくだろう。今年度からは新課程が始まり高校教育はますます探究的な学びにシフトしていく。新課程に対応した2025年度入試が徐々に公表されているが、多様な人材の確保に向けて入試を通した社会へのメッセージに注目したい。学校を探し始めた時期を経年で見ると、高1・高2で増加、高3で減少しており、進路検討開始時期は早期化していることが分かる。年内入試での入学者が増えており、受験時期が早まっているため、全体的に志望校を絞り込む動きも早まっている。では、志望校はいつ絞り込んでいるのだろうか。進学先校のオープンキャンパス(OC)参加時の志望度は第1志望だったという回答が60%と「進学センサス」の調査開始以来最も高い数値となっており、志望度が既に高い状態でOC参加する割合が増加している。OC参加や情報収集が十分にできない環境下においても、進学先校のOC参加率は過去最高に高く、第1志望校への進学率も7割と増加していることから、進路選択への不満が増大している様子は窺えない。むしろ、OCは「志願することを確認する場」になっているのではないだろうか。コロナの落ち着きとともにOC参加校数が高校での進路指導方針も受けてどのように変化するのかは注視しつつも、OCは「検討する場」から「志願を確認する場」になってきている兆しを踏まえてコンテンツ設計を見直す必要がありそうだ。年内入試での入学者は増加しているが、実際に受験する方式の検討状況を見てみると、2022年3月時点の高校2年生で28%と約3人に1人が年内入試と年明け入試両方の受験を検討しており、徐々に増加してきている。進路検討開始時期は早まり、志望校絞り込みは早期化していることに加え、年内入試と年明け入試の併願増加の兆しから進路検討期間は「長期化」していく可能性がある。高校では普通科改革も受け、学力別コースや教科コース、留学コースといった特色あるコース設置をする高校が増えてくると予想される。今後、高校入学前の段階で中長期的な視点で高校卒業後の自分のキャリアを考える機会が増えることで、進路については受験直前の偏差値で決めるのではなく、“自分のやりたい”を軸に長い目で進路選択について考えることで、より高校生の進学先を見極める目は厳しくなっていくだろう。コロナ禍での進路選択に不安を抱きつつも、第1志望校への進学を目指す高校生の姿は逞しい。「教育方針やカリキュラムが魅力的であること」等、学びの内容を重視して進学先を検討したいというポイントが軒並み増加している調査結果からも、高等教育機関においては3つのポリシーを明確にし、低学年からタイムリーで丁寧な情報提供(特に新課程に対応した入試内容は注目度も高い)が求められている。●早期化・長期化する受験活動特集02Point2志望校絞り込み「早期化」進路検討期間は「長期化」
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