カレッジマネジメント234号
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履修率向上と社会の課題解決に挑戦する人材の育成を目指すリテラシーレベルなし「分野」に関係なく合計18単位以上修得※3年次終了時に授与応用基礎レベル見込み修了証修了証79[応用基礎レベル修了に必要な資格]・社会調査士 ・Microsoft Office Specialist(MOS) (Excel) 画教材を開発した。同科目では、2022年度に企業がデータや情報をどのようにビジネスに活用しているのかについて、実際の企業にインタビューをした内容を加えて充実を図った。今後もこうした企業連携を増やしていく予定だ。「学生が課題を設定し、必要なデータを収集して分析、結果の考察を行って報告するという一連の流れを実課題や実データにより体験する科目を強化していきたい。データがどのように社会で活用されているのかを知ることで、学びのモチベーションも上がると考えています」と髙橋氏は言う。新課程入試初年度に当たる2025年度には、「情報Ⅰ」を履修してきた学生が大学に入学することを見据えてカリキュラムを改訂する予定であり、これに向けて企業や自治体等との連携を強化していきたいと意気込む。先述の通り、2022年度からは副専攻のレベルを2つに分けた(図3)。MDASHリテラシーレベルに認定された「リテラシーレベル」と、MDASH応用基礎レベルに採択された(8月24日公表)「応用基礎レベル」である。応用基礎レベルでは、所属する学部学科の専門知識を背景に、各自が課題を見つけ、それに対するアプローチを考案できることを目指す。リテラシーレベルで基礎的な知識・スキルを確実に身につけ、応用基礎レベルで課題解決にチャレンジできるようになってほしいという意図だ。2段階構造にすることで、学生が自分のレベルや目的に沿った学びが可能になっている。副専攻申請者数は2022年度6月時点で200名、全学在籍学生数の約11%である。学部別にみると、経済学部で約15%、国際学部で約10%、教育学部で約1%とバラつきが大きい。経済学部・国際学部では、「AI・DSへのいざない」を・ITパスポート ・G検定 ・統計検定2級以上 ・ビジネス数学検定3級以上・データサイエンス数学ストラテジスト中級以上「情報概論」「データサイエンス総論」「AI・DSへのいざない」の3科目の単位を修得※卒業時に授与本副専攻が定める必修科目の単位を修得したうえで、「情報」「統計」「専門領域」の各分野で指定された単位数以上を修得し、[応用基礎レベル修了に必要な資格]から1つ以上を取得※卒業時に授与2022年度から1年次必修に位置づけたが、教職課程の制約が大きい教育学部では初年次からの履修が難しく推奨科目となっている。2023年度からは教育学部でも同科目が必修化されることが望ましいという。副専攻の申請について、髙橋氏は「リテラシーレベルは100%を目指したい。応用基礎レベルは個人の意欲に応じて深める段階で、1人でも多くの学生に申請してもらうに当たっては先輩の声が大事です。後輩の目標となる修了者を育成し、様々な媒体を通じて積極的に紹介していきたい」と言う。こうした取り組みに対して、毎年の改善と学生の履修の様子が見えてくるにつれ、徐々に学内の認識も深まっているという。また、受験生に対しては広報の成果により「最近はAI・データサイエンス教育の存在を挙げる受験生も出てきている」と工藤氏は言う。また、系列高校からAI・データサイエンス教育での高大連携事業の一環として理数探究科目の支援を依頼されることもあるという。「MDASHリテラシーレベルの認定で学外の評価や関心が高まっているように感じている。申請者数を増やすために学内向けの説明や導入をより丁寧に行っていこうと考えています」と髙橋氏は言う。敬愛大学が育成を目指す「社会で活躍できるAI・データサイエンス人材」とは、この分野の基礎的な知識・スキルを身につけ、想像力(Imagination)と創造力(Creativity)を豊かに使って社会の様々な課題の解決に挑戦することができる人材であり、自ら学びを深めていくことができる人材だという。「3学部のそれぞれの強みを生かしてAI・データサイエンス人材の育成を行っていきたい」。髙橋氏の言葉は力強い。リクルート カレッジマネジメント234 │ Oct. - Dec. 2022(文/鹿島 梓)図3 副専攻の修了要件

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