カレッジマネジメント234号
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大学コンソーシアム京都高大連携推進室 室長長谷川 豊 氏高大連携を面で支える3つの取り組み86リクルート カレッジマネジメント234 │ Oct. - Dec. 2022“大学のまち・学生のまち”京都。この京都の大学の連携を推進してきた「大学コンソーシアム京都」は1994年に「京都・大学センター」から発足。日本の大学間連携コンソーシアムのパイオニア的存在であり、産官学連携でも多くの取り組みを実践している。その中のひとつが「京都高大連携研究協議会」だ。1990年代は、高等学校の教育内容の多様化が進む一方、学力や学習意欲の低下、多彩な入試制度による多様な入学者への対応等、高大を取り巻く環境が大きく厳しく変化してきた。こういった状況下において、生徒・学生一人ひとりの力を育むために高校と大学の連携を推進する機関として、2003年度に高大連携の組織である「京都高大連携研究協議会」を立ち上げた。大学コンソーシアム京都も一構成員の立場で参加し、京都府・京都市の教育委員会や京都府私立中学高等学校連合会も参加し、京都のほぼ全ての大学・高校の教育関係組織を巻き込むその取り組みは全国に先駆けた大規模なものである。「これまで個別の大学と高校が点と点で連携する事例はありましたが、京都高大連携研究協議会は京都ならではの面と面の連携を通じて、人材育成を図っていきたい。産官と高校・大学を巻き込み、学校間競争や個別の利害関係を乗り越えた取り組みを目指しています」(京都高大連携研究協議会運営委員・大学コンソーシアム京都高大連携推進室長 長谷川 豊氏)長谷川氏が室長を務める「高大連携推進室」は、京都高大連携研究協議会の方針を具体的に実現する役割を担う。京都高大連携研究協議会では20年前の発足から2010年代半ばまでは、主に・ 大学生を高校に派遣する試行から展開した高大の教員によって開発された教育プログラム(実践研究共同教育プログラム)・ 大学の模擬授業や個別相談等、高校生が大学を知り、興味ある学問を発見するイベント(京都の大学「学び」フォーラム)の2つの活動が行われていた。その後、民間ベースでも大学の模擬授業が盛んに行われ充実してきた。こういった変化を受けて2010年代半ばから方針を変更し、現在は高大連携推進室が中心となって以下の3つの取り組みを推進している。公益財団法人 大学コンソーシアム京都 高大連携推進室入試改革、探究学習、キャリア教育…京都の産官学が一体となって高大連携を実現地域連携で発展する大学 #5

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