カレッジマネジメント235号
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●高橋俊介氏●吉武博通氏特集 2030年に向けて乗り越えるべき壁 大学経営5つのテーマ東京大学工学部航空工学科卒業、プリンストン大学院工学部修士課程修了。マッキンゼーアンドカンパニー等を経てワイアット社(現タワーズワトソン社)に入社。1993年代表取締役社長に就任。1997年に独立し、ピープルファクターコンサルティング設立。2000年より慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任教授。2022年4月より現職。──大学改革を進めるうえで、職員が担う役割について、現状どのような変化が起きているのでしょうか。慶應義塾大学SFC研究所上席所員けれども、大学の運営には、教授会も含めて入っていないので、それほど詳しいわけではありません。ただ、それなりに横で見ていて感じていることは、教員ではない理事の方々に「教学の部分に自分達が入るべきではない」という自己規制があって、経営と教学をきれいに分けようとしてきたのではないかということです。しかし、私の印象では、その2つはもはや別々の問題ではなくなってきていて、分けることが難しい。両方を巻き込んだ改革をやらないと今の大学が抱える課題の解決はできないのではないかと思うのです。この経営と教学の壁をどう乗り越えていくかということを考えたとき、職員の役割が注目されるのはよく分かります。彼ら彼女らにも変革のリーダーシップが求められるようになっているのだと思います。吉武 おっしゃる通りです。ただし、ルーティン的な仕事を中心に担当してきた大学の職員にすぐに改革をリードする役割を任せようとしてもなかなかうまくいきません。そ新日本製鐵にて経営・組織改革、株主総会・取締役会の運営業務等を担った後、2003年筑波大学社会工学系教授に就任。同大学理事・副学長を経て2009年より同大学大学研究センター長。その後、東京都公立大学法人理事等を歴任し、現職。専門は経営管理論、企業統治論、大学経営論。情報・システム研究機構監事学校法人東京家政学院 理事長14対談吉武 今、大学職員の役割が大きく広がってきています。業務を経営と教学とに大きく分けると、これまで職員は、経営に関しては理事を補佐し、人事、総務、財政、施設等の仕事を担当していました。一方、教学は教員が主体であり、職員はその支援や事務手続きが中心でした。職員の役割はルーティン的な性格の濃い仕事にとどまりがちだったのです。しかし、ここにきて、外部資金の獲得、産学連携、社会貢献、国際化等の重要性が高まるなかで、職員の仕事のテリトリーが広がってきています。同時にそれぞれの仕事において期待される仕事の質も、より創造的、企画的な面にウェイトが置かれるようになってきました。つまり、幅の問題と質の高さの問題、両面で変化が起きていて、日増しにそういう状況が加速しています。高橋 私は特任教員として長い間大学に在籍はしています大学改革を推進していくうえで、今、多くの大学で「職員の戦力化」が大きなテーマになっている。改革の担い手としての職員をどのように育成していけばいいのか、そのためにトップにはどのような取り組みが求められるのか。組織・人材育成領域の第一人者である高橋俊介氏と、学校法人東京家政学院の理事長で、大学経営に関する研究者でもある吉武博通氏の対談を通して探っていく。TalkTheme 02職員の戦力化

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