●稲見昌彦氏●中村 伊知哉氏デジタルファーストを掲げるiU特集 2030年に向けて乗り越えるべき壁 大学経営5つのテーマメタバースによる人間拡張の可能性博士(政策・メディア)。京都大学特任教授、東京大学客員研究員、慶應義塾大学特別招聘教授、吉本興業HD社外取締役、国際公共経済学会会長、理化学研究所コーディネーター等を兼務。1984年、ロックバンド「少年ナイフ」のディレクターを経て郵政省入省。MITメディアラボ客員教授、スタンフォード日本センター研究所長、慶應義塾大学教授を経て、2020年4月よりiU学長。内閣官房、文部科学省等の参与・委員を歴任。著書に『新版 超ヒマ社会をつくるーアフターコロナはネコの時代―』(ヨシモトブックス)、『コンテンツと国家戦略』(角川EPUB選書)等多数。──まず、iUが教育の場においてどのようにメタバースを活用されているのか、現在の取り組みをご紹介ください。実際のカリキュラムでもメタバースの中で学ぶスタイiU(情報経営イノベーション専門職大学) 学長ルを取り入れています。例えば「iUのデジタルツインを作る」をテーマに、学生達にメタバースの大学を作ってもらいます。デジタルツインと言いつつも、特に制限やルールは設けず、自由な発想でiUをメタバース上に創ることで学ぶというやり方です。NECと実施した仮想空間授業の実証実験も、全てのことを産学連携のプロジェクトベースで始める取り組みの一つ。まだ成果検証は完了していませんが、今後は正規の授業やキャンパス全体の活動にも広げていきたいと考えています。──続いて、稲見先生のメタバースに関する研究内容についてお聞かせください。博士(工学)、JST ERATO 稲見自在化身体プロジェクト 研究総括。自在化技術、人間拡張工学、エンタテインメント工学に興味を持つ。米TIME誌Coolest Invention of the Year、文部科学大臣表彰若手科学者賞等を受賞。超人スポーツ協会代表理事、情報処理学会理事、日本バーチャルリアリティ学会理事、日本学術会議連携会員等を兼務。著書に『スーパーヒューマン誕生!人間はSFを超える』(NHK出版新書)、『自在化身体論』(NTS)ほか。東京大学 総長特任補佐・先端科学技術研究センター 身体情報学分野 教授22対談中村 iUは、2020年にデジタルファーストを掲げて開学しました。当時はコロナ禍だったこともあり、デジタルに取り組むことに関しては大きな混乱もなく、リアルとオンラインのハイブリッド環境によるオープンキャンパスを設計してきました。VRやメタバースも導入し始めたところです。iUではインターンシップを必修科目としているのですが、インターン先でメタバースに取り組む学生も多いですね。インターネット上のバーチャル空間「メタバース」を教育に取り入れ、新たな取り組みを挑む大学が増えている。メタバースが教育の場にどのような変革をもたらすのか。iU(情報経営イノベーション専門職大学)学長 中村 伊知哉氏と東京大学先端科学技術研究センター教授 稲見昌彦氏の対談から探る。TalkTheme 03これからのキャンパス体験─メタバースの可能性
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