カレッジマネジメント235号
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デジタル化で1000人規模の学びの証明を効率的にディプロマに対する達成状況を可視化するDXの推進プログラムの進化に伴って発展するデジタル証明MDAPリテラシーレベルさらに2021年度秋学期より、全学部共通科目として「法政大学 数理・データサイエンス・AIプログラム(以下、MDAP)」がスタート。MDAPはフル・オンデマンドで授業を実施しているため、受講者数の制限がなく、1000人単位で修了生が出るため、従来のように紙で修了証を発行するのは業務負荷が高い。そこで、オープンバッジの導入により、修了証の発行をデジタル化。MDAPでのオープンバッジ発行と合わせ、その他のサティフィケートプログラムも、紙で発行していた修了証をオープンバッジに転換した(図1・2)。「ブロックチェーンによる改ざんができない仕組みで、学修歴の可視化が実現できるという観点や、就職活動に際しても、学生がスマートフォン上や履歴書上で学修成果を分かりやすく示せることを鑑み、導入を決定しました」とオープンバッジの便益性を語る。同大学では現在、「DXイニシアティブプロジェクト」を推進中だ。文部科学省事業「デジタルを活用した大学・高専教育高度化プラン」にも採択され、学修成果可視化のデジタル化を図る。学内に点在する様々なデータを一カ所に集約し分析するシステムを構築、まずは、学生が平均のGPAと、相対する自身のGPAのレベルを把握できるようにしている。また、ディプロマと科目を紐づけ、達成状況を可視化する『ディプロマインディケーター』の実装を準備中。学生は、履修した正課科目や正課外の活動を通じた達成状況を把握できるため、学びへの動機づけになる。さらに、システム上の学生向けの領域では、オープンバッジを管理する個人ウォレットのリンクが張られ、同大学からMDAP応用基礎レベルアーバンデザインSDGsダイバーシティ法政大学 数理・データサイエンス・AIプログラム(MDAP)サティフィケートプログラム授与されるバッジだけでなく、その他の学習経験で得たバッジも管理できる。「学部の科目の成果を可視化する領域と、特定分野で取得したオープンバッジをリンケージしたアウトプットで、社会的、対外的に、学修成果の全てを示せるよう設計しています」。オープンバッジに関しては、新卒時の就職活動段階だけでなく、転職や入社後の異動希望において自身のスキルを証明する材料として活用する等、キャリアパスの様々なシーンで示せるものとなることを期待している。その際、オープンバッジ自体の世間的認知の向上が今後の課題であると平山氏は指摘する。「就職活動でどの程度使われているのかを学生にモニタリングしていく必要がある。また、キャリアセンターを通じて、企業側にこの取り組みを知ってもらい、評価してもらう働きかけも大切だと思います」。法政大学のサティフィケートプログラムは、社会課題を踏まえながら、さらなる進化を続ける。来年度開講予定なのが、「防災」「投資」等、学生スタッフが考えるキーワードに基づいた学生発案型のサティフィケートプログラムだ。また、今企業ニーズの高いグリーン人材を育成する「カーボンニュートラル」のプログラムも検討中。いずれも、修了者にはオープンバッジを授与。新たな学びのプログラムによるオープンバッジ所有者が増え、社会を変えていく。「社会課題は刻々と変化します。ニーズに合わせて学部や学科を作っても、10年後には賞味期限切れとなることもある。ニーズを踏まえた学びを柔軟に実現するための系統立った仕組みが、私達のサティフィケートプログラムであり、その成果を証明するツールがオープンバッジなのです」。プログラムリテラシーレベル応用基礎レベルSDGsアーバンデザインダイバーシティ2030年に向けて乗り越えるべき壁大学経営5つのテーマ(文/金剛寺 千鶴子)開始時期2021年度(秋学期)2022年度2019年度2020年度2021年度図1 法政大学が発行するオープンバッジ図2 オープンバッジが授与されるプログラム37特集01

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