カレッジマネジメント235号
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──続いて、CoIU(仮称)のコンセプトについてお聞かせください。宮田 CoIU(仮称)は岐阜県飛騨市に本校設置を計画している大学です。人と社会をつなぐプロジェクトの中で多様なセクターと地域の未来を共に創る、共創的・実践的な学びを軸に設計を進めています。CoIU(仮称)の“Co-Innovation(共創)”像を前提とした人材育成私は前職広告会社でクライアントのコミュニケーション戦略を作っていました。購買行動への働きかけは「モノを買ってもらう」という結果が分かりやすいため、行動がデザインしやすい。しかし、社会問題にどう行動を起こすかとなると話は変わります。やるべきことを正しく伝えても人は動かない。そこをどう打破するか。私は、自分ごと化や貢献できている、参画している意識が芽生えると、初めて人は動き出すと考えます。だからその気づきを生む対話が重要であり、それを仕組み化して共創プロセスとして展開しています。もう一つ大事なのは、バックキャスティングの思考です。バックキャスティングとは、自分達にとって望ましい未来に向けた行動の設定。未来に向けた共創の場を創り、単にその場で良さそうな答えにたどり着くだけではなく、そこで得られた関係性やアイデアを社会に実装していくことが、弊社の活動ということになります。大前提として、日本は大都市化という100年以上続くトレンドで、東京一極集中が進んでいます。しかし、これからの社会はデジタルを前提に、つながりながら未来を創るのが必須になるでしょう。共創という概念は、これまでの日本の教育が時代に合わなくなっているという問題提起によるもので、特に探究シフトが進む初等中等教育で多く起こっている議論です。では、時代とズレているものは何なのか。私は、その筆頭が受験勉強だと思います。貴重な子ども時代の膨大な時間をスタンドアローンな勉強に使わせて、知識の再生産のスピードを軸にセレクションする。しかしそれは、世に出た時の社会課題へのアプローチとはズレているのではないでしょうか。課題解決にスタンドアローンで向かうことの不合理に比べ、他者とつながって課題を発見し、自分の持っていない能力を借りながらイノベーションのアイディアを作っていく営みは、可能性にあふれています。また、情報化の時代において知識はどんどん陳腐化し更新されていくもの。今の知識を正確に記憶することよりも、アップデートされ続ける知識を捉える視点が重要で、課題そのものも自分達で考えていく必要があります。──共創という枠組みありきというより、時代に合う学びを創ろうとすると必然的に共創的なスキームになるということでしょうか。共創学を大学の軸に据えていると話すと、大体「共創学って何ですか」と聞かれますが、逆にこれからの学びで共創学ではないものって何だろうと考えます。子ども達の学びのメインは、スタンドアローンな勉強ではなく、つながりの中で協働的に学び、課題に対して考え続けることであるべきではないでしょうか。それはCoIU(仮称)だけではなく、高等教育全体で考えないといけない問題です。宮田 そうなります。そうした動きが初等中等教育で進む探究教育の受け皿にもなると思います。2030年に向けて乗り越えるべき壁大学経営5つのテーマ持続可能な環境・社会・経済地域産業・経済への活力教育研究文化芸術自然共創学の目指す未来これからの暮らしに交通必要なことを自分たちで考えられるように防災安心安全で便利な暮らし医療福祉39仮想空間に都市データを再現し街づくリの質と効率が向上!オンライン学習デジタルツイン旅行者とガイドのマッチングで 地域イノベーションが活発に地域経済循環地域資本の活用Maasスマートヘルスケアスマート農業地域を巡回する自動運転カートで高齢者の買物等を便利に!医師不足でも遠隔で最先端医療を受診できるように!災害時など、有事の際に現地情報を即座に収集できる防災レジリエンスひとつの都市の中だけでなく、都市同士も 相互に支えあい、 高めあえる多層型デジタルネットワーク特集01よりよく生きる未来への希望一人ひとりの心身の豊かさを高める

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