カレッジマネジメント235号
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学ぶと働く埼玉県飯能市に所在する駿河台大学では、全科目を「キャリア教育」と位置づけ、かつ、社会に出るまでに身につけるべき基本的な能力を「駿大社会人基礎力」として明確化している。ディプロマ・ポリシーでも「『駿大社会人基礎力』と専門的知識・技能の活用力を身につけることを目標」としている。取り組みのきっかけとなったのが、2004年度文部科学省現代GP採択の「学生参加による〈入間〉活性化プロジェクト」、通称「いるプロ」だ。大森一宏学長は、「飯能市に隣接する入間市と連携して、学生・教職員が地域に出て行ってまちづくりに加わり、地域の人達を先生にして学ぶ経験をした。これが、社会人基礎力を鍛える試みの始まりだったかもしれません」と語る。5つの力と15の能力要素からなる「駿大社会人基礎力」2013年度に導入した「駿大社会人基礎力」は、「基礎的な力」「考える力」「行動に移す力」「協働する力」「総合的な力」の5つの力・15の能力要素(それぞれの力に3要素ずつ)からなる。「全学年で必修のゼミはもちろん、多くの授業でアクティブラーニングを積極的に取り入れています。また、複数のキャリア科目を1年と3年で必修にして、一つひとつの社会人基礎力を養成しています」(大森学長)。梅村慶嗣学長補佐(キャリアセンター准教授)は「キャリア教育に『全体で』取り組んでいることがポイント」と言う。「全体で」とは、一部の部署・教員だけではなく全学・全教職員、そして全科目を意味する。キャリア教育に大きく「領域的」「機能的」の2つの側面があると見たときに、その両方にしっかり取り組んでいるということでもある。領域的・機能的なキャリア教育と客観指標による把握“領域的なキャリア教育”とは、キャリア発達、進路選択、職業的レリバンスなどを学ぶ科目。「キャリア基礎」「キャリア発展」などの講義に、アウトキャンパス・スタディ(校外体験授業)が加わる。「まちプロ」は2004年度現代GPの「いるプロ」の発展版。「森林文化」は2007年度現代GPで始まった、市域の約75%が森林という地元飯能市の活性化に貢献する取り組みだ。「地域インターンシップ」は、飯能信用金庫、飯能市役所をはじめ地元の協力を得て、3年生を中心に例年100人近くが履修している。祭などのイベントやまちづくりなど、社会の「現場」に飛び込み、「まちを教室に、まちの人々を教師」にして実践的に学んでいくという趣旨は共通だ。“機能的なキャリア教育”としては、「駿大社会人基礎力」のいずれかの能力要素を到達目標としてシラバスに組み込むことで、全ての科目にキャリア教育機能を与えている。「全科目をキャリア教育と位置づける」ことの具体的な形ともいえるだろう。「全体」のキャリア教育の学修成果の可視化には、客観指標が得られる外部テストPROGを活用。1年生と3年生が受験し、その結果(スコア)を「駿大社会人基礎力」に読み学長大森一宏 氏学長補佐キャリアセンター准教授梅村慶嗣 氏7438をつなぐ全科目をキャリア教育と位置づけて育む「駿大社会人基礎力」駿河台大学

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