カレッジマネジメント236号
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化学物質汚染類にとって安全で公正なの層ンゾオ少減人海洋酸性化範囲生物多様性の喪失足不環済過超社会的な土台食糧水染汚気大与び投及の素料窒肥酸燐境再生的で分配的な経土地変換取水特集01112010年に「ユニリーバ・サステナブル・リビング・プラン」として、①世界中の10億人以上の人々の健やかな暮らしに貢献する ②製品ライフサイクルからの環境負荷を半減する③数百万人の経済発展を支援する、という3つの目標を掲げて課題解決に取り組み、サステナビリティに関するリーダーシップを発揮し続けている企業です。産業界としてSDGsの中から4つの分野を選んで試算をしたところ、SDGsに取り組むことによって、12兆ドルものビジネスチャンスが生まれ、3.8億人の雇用が世界中に生み出せることが分かりました。また取り組みを行った10年間で、同社の株主リターンは292%を記録しました。元CEOのポール・ポールマン氏は、「SDGsは企業の力を必要とする。一方で、企業もSDGsを必要としている」と語っていますが、ユニリーバは、SDGsへの戦略的な取り組みが企業価値の向上も実現できるということを証明したわけです。―多くの企業にとって戦略的取り組みを企業価値につなげるには何が必要でしょうか。大切なのは長期的な視点に立って考えること。将来の到達点をまず先に描いて、そこから自社が現状とのギャップを認識し、そのギャップを埋めるために何に対して力を発揮できるのかを考える「アウトサイド・イン」の思考が大切だと思います。過去のやり方を積み上げ式で実施していくというやり方では、トランスフォーメーションは実現できないでしょう。―そういった積み上げ式の企業も少なくないように感じるのですが、実際はどうなのでしょうか。よく「SDGsウオッシュ」という言葉で語られるのですが、大変革に貢献するようなことをやらずに、うわべだけの貢献をアピールしたり、反対に事業プロセスにおいて人権侵害や環境汚染を引き起こしている企業は強く批判されます。SDGsウオッシュを防ぐためには、取り組みの前後でどれだけ課題を解決できているのかという、社会的なインパクトや成果を開示するという透明性が重要だと思います。「ただ頑張っている」というだけでなく、企業はもちろん、自治体等、そして大学も含め、全ての取り組み主体が、真に変化を生む意味ある取り組みをしているのかどうか把握し情報を開示すべきだと思います。―とはいえ、そういったインパクトを証明するのは難しいと思います。どのように取り組めばよいでしょうか。UNDP(国連開発計画)が、SDGsに真に貢献する企業を増やしていこうという目的で「SDGsインパクト」という評価手法のパッケージを作り、国際的に広めていこうとしています。まだ教育プログラム等も始まったばかりですが、インパクトの把握と評価は一時的な流行ではなく、ポストSDGsにも引き継がれるべき重要なものだと思います。また、私が座長を務める日本経済団体連合会の企業行動憲河出文庫「ドーナツ経済」ケイト・ラワース著、p.69図1  ドーナツ経済とは大学にとってのSDGsエネルギーネットワーク住居気候変動環境的な上限健康教育所得と仕事男女の平等平和と正義社会的平等政治的発言力

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