カレッジマネジメント236号
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特集0117対面とオンラインでハイブリッドの交流を2年生の探究活動では、ブラジルの和歌山県人会の方々とオンラインで交流。がフィールドワークを行い、地元の魅力や課題の発見、解決策の提言を行った。コロナ禍で校外の活動が制限されてからは、生徒が主にネットで情報収集し、多様な講演(下の写真も参照)でも学びながら「地元のスタディツアーのプラン」作成に取り組んだ。ツアー参加者がこの地元の魅力を学ぶことのできる旅行プラン――具体的には「この地域の歴史や伝統・文化、豊かな自然、環境保全と人間生活を調和させるシステム、地域課題解決に向けた先進的な取り組み等」を学べる旅行プランを、生徒が考えるのだ。その際は、ワークシートを活用して次の点も明確にする。①ターゲット(ツアー参加者)の特徴②ターゲットに与える効果(メリットや影響)③地域社会に与える効果④SDGs達成に向けての効果2年生は「地域と世界のつながり」を探究。和歌山県は、戦後の世界中への移住者が多かった地域であり、その移民や2世、3世の人達が集まる「和歌山県人会」とオンラインで交流する。ほか、JICA職員の国際貢献活動の話等も聴き、国内外の比較研究をしたうえで、SDGsの視点からレポートも作成する。3年生は「自己の生き方・あり方」を探究。今までの活動も踏まえて進路を考え、自らが地域社会や国際社会にどのように貢献していくかも文章にまとめる。こうした探究活動を進めていくと、生徒のなかにはより踏み込んだ地域貢献や国際交流をしたい者も現れ、有志によるSEEKER(生徒国際委員会)という組織も発足した。登録生徒数は50名前後で、おのおのがやりたいと思った活探究活動以外に、地理の授業でもインドのムンバイ市とオンラインで交流。※スーパーグローバルハイスクール……グローバル人材の育成に取り組む高校を、文部科学省が審査・認定。指定校とそれに準ずるアソシエイト校がある。動に参加している。具体的には、世界遺産の熊野古道の保全活動、地元の梅農家と連携した商品開発、和歌山県人会との移民学習等だ。進路指導部長の清水昌樹氏は、一連の活動によって進学の面にも好影響が出てきたと見ている。「探究テーマを基に防災や観光等の分野に進学した者もいますし、地域社会や国際社会への貢献まで生徒が意識し出したことで、そのための地力をつけようと、日々の学習への意欲も高まったのを感じています」課題もある。コロナ禍でフィールドワークが制限されたこともあり、「生徒達が主体的に楽しんで取り組む探究になりきれていない面もあった」(小竹氏)という。一方で、広がった可能性もある。小竹氏も清水氏も強く感じているのが、「オンラインの普及で外の世界とよりつながれるようになった」ことだ。地元や和歌山周辺の人々に加え、全国各地の高校や大学、世界中の人とも、交流できる機会が格段に増えたのだ。「SEEKERの活動で、ある生徒達は岩手県の高校とオンラインでつながり、互いの地元にある世界遺産の保全や活用について意見交換しました。別の生徒達は、地元の民間団体や大学生と連携し、ブラジルの和歌山県人会の皆様をオンラインで取材し、外部のシンポジウムで発表もしました。そうした場で堂々と話すようになった生徒達を見ると、外の世界との関わりが成長を促すのを実感します。本校は探究活動や進路学習で既に多くの大学の力をお借りしていますが、対面とオンラインのハイブリッドの交流で、高大連携を一層深めることができればうれしく思います」(小竹氏)リクルート カレッジマネジメント236 │Apr. - Jun. 2023SEEKERの生徒達が地元農家と連携して商品化した梅干し。(文/松井大助)大学にとってのSDGs

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