カレッジマネジメント236号
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CASE常葉大学では2022年9月、公式ウェブサイト内「地域貢献」のページにて、地域貢献活動の取り組み事例発信企画「常葉大学×SDGs-地域と共に持続可能な社会の実現へ―」の掲載をスタートした。同学の教職員や学生によるSDGsに関連した活動を51例公開する企画で、SDGsの17の開発目標に沿った取り組みが並ぶ。この取り組みの背景や意図、期待する効果について、常葉大学地域貢献センター長の木村佐枝子氏に話を聞いた。常葉大学は、「知徳兼備」「未来志向」「地域貢献」の3つを教育理念として掲げる。今回の企画では、この中の1つの柱である「地域貢献」活動をSDGsの取り組みとして整理、発信している。その背景には、〈地域社会の一員である大学には地域発展の一翼を担う責任がある〉との大学の思いがある。また、静岡市と浜松市に計4つのキャンパスを有し、学生のおよそ9割が静岡県内出身者であることから、これからの静岡に貢献し得る人材を1人でも多く育成し地域に還元する意図もある。社会環境学部、健康科学部等SDGsと親和性の高い学部も有する常葉大学では、以前から各キャンパスで学生や教職員が個々にSDGsまたは地域貢献につながる活動を展開していた。それらの行動をSDGsの目標と結び付け、全学共通の取り組みとして発信しようとスタートしたのが「常葉大学×SDGs」である。発信の目的は4つある。学生や教職員の地域貢献活動を広く発信し地域に根差す大学としての存在を示すこと、SDGsと教育研究を結びつけ世界的な取り組みへの全学でのアクションを表明すること、地域課題の解決が地球規模の課題の解決につながることを認識し諸課題に対峙できる32教職員、学生、ゼミなど多彩な立場からSDGsの取り組みを発信学生が主体となった取り組みを大学が支援人材を育成すること、全教職員・全学生がSDGsの当事者であることを意識して活動することだ。こうした活動の中核として機能しているのが、木村氏がセンター長を務める地域貢献センターである。今回の取り組みでは、センター内に設置された地域連携推進委員会に各学部の教職員が集まり、木村氏を中心に個々の活動の可視化と発信に向けた議論を開始。また、学生主体の発信に期待したいとする江藤秀一学長の意向もあり、全学生にも発信を促した。結果、教授や准教授、講師といった教える側だけでなく、学生、ゼミや組織単位での取り組み等、様々な立場から事例が集まった。発信された51の事例の中に学生が主体となった取り組みが複数見られるのは、常葉大学がここ数年積極的に取り組んできた学生支援の1つの成果でもある。2017年、学生の主体的な活動をサポートする『主役は学生プロジェクト』をスタート。そのプロジェクトの進展として2018年、地域貢献センターに「とこは未来塾-TU can プロジェクト-」が立ち上がった。学生が企画した地域貢献活動に対し大学側が財政面での支援をするもので、5万円から最大15万円を助成する。助成を受けた活動にはSDGsと結びつくものが多い。例えば、健康プロデュース学部心身マネジメント学科卒の高橋明子さんは、「健康(ヘルス)だけでなく、健幸(ウェルネス)について楽しく学ぶことのできる教育教材を開発し、そ地域貢献センター長木村佐枝子 氏学生が考案のウエルネスを学ぶ『健幸かるた』「地域貢献」の教育理念とSDGsをつなぎ、教職員と学生が幅広く活動を発信常葉大学5

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