カレッジマネジメント236号
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特集0133認知はしているが、身近ではなかったSDGs身近なところからのアクションが拡がるれらを使って小学校で授業をすることで、子どもたちの健幸に関する興味・関心を高めること」を目的に『健幸カルタ』を制作した。また、社会環境学部社会環境学科4年で2022年度の大学学友会会長を務めた佐々木健太さんは、学友会企画のイベント『防災?SDGs?なんだそれ!?解決しちゃいマルシェ!!』で主体的な役割を担当。100名を超える来場者に向けて防災やSDGsに関する情報を届けた。常葉大学にはもう一つ、学生主体の特色ある組織として「学生評議員会」が存在する。これも『主役は学生プロジェクト』から生まれたもので、学生が大学に対して意見する機会を作ることによって、学生の主体性を育成することを目的としている。学友会活動の最高決議機関と位置付けられ、評議員は各学部・各学科から1学年2名~5名ずつ選出される。2020年末には草薙・瀬名キャンパス評議員会が主体となりSDGsに関する認知度調査を学内外に向け実施。その結果、SGDsという言葉の浸透度に対し、その目標達成に自らが関わっている認識やSDGsそのものへの興味関心は決して高くないことが見えてきた(図表)。そこで翌2021年、外国語学部グローバルコミュニケーション学科卒で2021年度の学生評議員議長を務めた大石健太郎さんは『SDGs講演会』を企画。学内だけでなく静岡大学の教授やSDGsに取り組む地元企業の担当者にも登壇を依頼し、その講演から「自分達にできること」を考える機会を学生に提供した。また、その成果を静岡市企画課主催の『SDGsユースサミット』で発表。自治体と連携したSDGsの周知活動にも貢献した。評議員会のSDGs関連活動は次年度の議長となった教育学部生涯学習学科3年の風間涼太さんを中心に2022年も継続。『常葉グリーンプロジェクト2022』として、節電や節水など、身近なところからSDGsにつながる取り組みを学生一人ひとりに呼びかける活動が行われた。Webサイトによる発信の成果もあり、最近では附属の中学・高校との連携の動きも模索される等、取り組みの動きは多角化している。木村氏は、「SDGsは決して特別なことではなく、私達の日々の生活と密接につながっているもの。その意識の醸成のために、まずは身近なところからアクションを起こした。今後そのアクションをさらに地域課題と紐付け、発展的に取り組むことで、大学の使命である〈教育研究に基づく地域と連携した社会貢献〉を実現させたい」と語った。(文/髙橋晃浩)SDGsという言葉を聞いたことがありますか?学生評議員会が実施したSDGs認知度調査結果実際に取り組んでいる、もしくは取り組む予定のあることはありますか?大学にとってのSDGs673件の回答(2020年12月15~25日、草薙・瀬名キャンパス、N=673件)(複数回答) 673件の回答貧困をなくそう飢餓をゼロにすべての人に健康と福祉を質の高い教育をみんなにジェンダー平等を実現しよう安全な水とトイレを世界中にエネルギーをみんなに そしてクリーンに働きがいも経済成長も産業と技術革新の基盤をつくろう人や国の不平等をなくそう住み続けられるまちづくりをつくる責任つかう責任気候変動に具体的な対策を海の豊かさを守ろう陸の豊かさも守ろう平和と公正をすべての人にパートナーシップで目標を達成しよう特にない10(1.5%)5(0.7%)24(3.6%)12(1.8%)28(4.2%)40(5.9%)75(11.1%)26(3.9%)37(5.5%)42(6.2%)44(6.5%)54(8.0%)34(5.1%)75(11.1%)52(7.7%)41(6.1%)19(2.8%)423(62.9%)ある81.4%ない18.6%

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