カレッジマネジメント236号
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41「知識・技能」「思考力・判断力」「主体的に学習に取り組む態度」という学力の3要素を、「主体的で、対話的で、深い学び」によって育み、その成果を学修者がその後の高等教育での学びや社会活動で役立てていくという方向性は、既に先立って高校現場の教育において取り組まれつつあったが、2022年度4月の新学習指導要領にもとづく指導の開始により、さらに加速度をつけて進められることになった。「探究学習」の導入、ICT教育の推進等、次々と改革が進んできた高校現場は、また一方で、高校教員にとって新たな挑戦の連続でもあった。3年前から続いている新型コロナウイルス感染拡大の対応とも相まって、予測困難な状況において、生徒と向き合う先生方の努力と疲弊は想像に難くない。そんななかで、今回の「高校教育改革調査」は実施された。高校教育改革調査は、『リクルート進学総研』が高校の教育改革に関する現状を明らかにするため、全国の全日制高校に対して、高校の様々な取り組みに関する実態を調査しているもので、ほぼ隔年で実施しており、今回で22回目を迎えている。今回、本企画においては、主に「新学習指導要領への対応」「総合的な探究の時間」や「社会で働くにあたって必要とされる力/現在持っている力」「高校の進路指導の課題」「大学・短期大学への期待」に関する調査結果をご紹介するとともに、その結果の背景にある要因について考察してみた。変化する高校の教育現場において、先生方が日々どのような課題に向き合い、未来に向けて何に注力し取り組んでいるのか、そして高等教育機関に何を期待しているのかを知り、高大一体となった改革を進めるうえでの参考にされたい。なお、本企画においては紙幅の関係で誌面ではご紹介できなかったが、高校教育改革調査では、「アントレプレナーシップ(起業家精神)教育の導入」「ICT活用について」「高校の募集状況について」「進路検討における『オープンキャンパス』参加について」「これからの社会について」「進路指導とキャリア教育」「高校と高等教育機関の連携」「教員の労働時間について」といった内容について、経年比較、あるいは新たに今回設問を設けて尋ねているので、詳しくは、進学総研サイトでもご覧頂けたら幸いである。リクルート進学総研サイト「高校教育改革に関する調査」https://souken.shingakunet.com/research/2019/02/post-9b3b.htmlリクルート カレッジマネジメント236 │ Apr. - Jun. 2023●特集02高校の指導と大学への期待

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