カレッジマネジメント236号
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生徒の問題保護者の問題学校の問題進路環境の問題46ここでは「進路指導上の課題」を見ていく。1位【学校】「教員が進路指導を行うための時間の不足」、2位【進路環境】「入学者選抜の多様化」、3位【生徒】「進路選択・決定能力の不足」、4位【生徒】「学力低下」、5位【生徒】「職業観・勤労観の未発達」と上位の顔ぶれに大きな変化はないが、いずれもスコアは前回と同率あるいは上昇。「教員が進路指導を行うための時間の不足」「入学者選抜の多様化」は特に大きく増加している。逆に前回比で大きく減っているのは、【進路環境】「産業・労働・雇用環境の変化」「高卒就職市場の変化」。コロナ禍での急激な雇用環境の変化を経て落ち着いた就職指導は、困難さが軽減されている。2018年からの経年比較では【進路環境】「仕事や働くことに対する価値観の変化」、【生徒】「職業観・勤労観の未発達」が増加し続けており、職業観を育む指導の難しさは年々増している。また【保護者】「保護者が干渉しすぎること」「進路環境変化への認識不足」も経年で伸び続けており、生徒、保護者の価値観の変化への対応が課題となっている。受け入れる大学側は、「進路指導時間不足」「進路選択・決定能力の不足」に伴う入学後のミスマッチによる退学防止、「学力低下」への初年次教育、職業観の未発達へのキャリア教育の対応等が影響する課題として考えられる。図表8 進路指導上の課題(全体/複数回答) 進路選択・決定能力の不足学力低下職業観・勤労観の未発達学習意欲の低下規範意識・道徳意識の低下生徒の問題・その他進路環境変化への認識不足保護者が干渉しすぎること家庭・家族環境の悪化:家計面について子どもに対する過剰な期待子どもに対する無関心・放任家庭・家族環境の悪化:家計以外の面 について学校や教員への非協力保護者の問題・その他教員が進路指導を行うための時間の不足旧態依然とした教員の価値観校内連携の不十分教員の実社会に関する知識・経験不足教員の意欲・能力不足生徒とのコミュニケーション不足学校の問題・その他入学者選抜の多様化仕事や働くことに対する価値観の変化産業・労働・雇用環境の変化上級学校の学費高騰入学者選抜の易化高卒就職市場の変化進路環境の問題・その他「教員の時間不足」「入試の多様化」「生徒の決定能力不足」が上位2021年2022年 全体    2021年 全体    2018年 全体020406080(n=943)2022年3位4位5位1位2位(n=1156)(n=1203)51.951.859.346.942.447.346.444.141.745.545.050.311.212.312.53.13.63.845.443.342.643.635.033.833.433.440.229.027.329.226.529.230.816.014.614.410.211.87.93.02.22.362.657.058.031.633.429.029.924.727.926.426.627.221.622.822.012.714.914.63.92.83.055.248.650.638.634.330.030.139.128.224.822.725.523.013.520.48.214.114.21.81.32.62018年全体全体全体(%)「新学習指導要領」の取り組みやコロナ禍対応で指導時間不足か。「入学者選抜の多様化」も大きく増加高校進路指導の課題

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