カレッジマネジメント236号
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49が必要ですから、生徒が自分の殻を破れるような仕掛けをいかに作るかが鍵だと思います。探究の取り組みを円滑に進め、何らかの実績に結びついている学校のお話を聞くと、この仕掛けづくりが上手です。学外の人や体験との出会いの場をつくる一方で、文化祭や体育祭といった既存の活動を探究のコンテンツとして捉え直すなど工夫をして、全ての教育活動を「総合的な探究の時間」で生かそうとしています。小林 組織的な意識改革や発想の転換が必要かもしれませんね。ただ、一朝一夕でできることではなさそうです。ところで、今回の調査で「文理コース選択の状況」を見ると、文理選択を実施している学校は全体の約7割で、大学進学率70%以上の層では9割以上です。さらに、選択の時期は1年生が75%を超え、「高校1年生10月〜12月」が採択校の半数を占めます。文系・理系の枠を超え、身近な課題を発見することを重視する探究と文理選択は相容れず、こうしたことも探究の指導の難しさにつながっているのではないでしょうか。赤土 多くの生徒が将来をイメージできていない時期に文理選択を尋ねる用紙を配ることに対して「悩ましい」というお話を聞いたことがあります。ただ、「教員の負担の大きさ」に関しては、指導の難しさ以前の問題もありそうです。2年生以上は旧課程で指導する過渡期のなか、高校には2025年から共通テストに追加される「情報」への対応やICT活用もなども求められています。本調査の自由記述欄にも、「ほかの仕事とのやりくりの大変さ」を訴えるコメントが見られました。対応すべきことが山積みで、「探究の意義は理解できるけれど、手が回らない」というのが多くの先生方の本音かもしれません。こうした実情や、授業内容や方法が生徒の個性や資質に左右されることも相まって「総合的な探究の時間」はカリ教育事業会社を経て2014年株式会社リクルート入社。一貫して高校生向けキャリア教育プログラムの開発に従事。『スタディサプリ進路』編集デスクを経て、2021年4月より、高校生の主体的な進路選択を応援する先生のための進路指導・キャリア教育専門誌『キャリアガイダンス』編集長に就任。東京学芸大学客員准教授。キャリアガイダンス編集長教科の知識を使いながら教科の見方・考え方を育む科目と、各教科で学んできた見方や考え方を生かし、課題発見から自分なりの答えを導いていく「総合的な探究の時間」の7つの探究科目がある。指導を担当する教員は、高校によってケースバイケースだが、基本的には、総合探究は探究担当の先生がプランニングし、クラス担任を中心に実施し、教科探究は各教科の先生方が行うことが多い(赤土)。まとめ・表現■日常生活や社会に目を向け、生徒が自ら課題を設定する。総合的な学習の時間課題を設定し、解決していくことで、自己の生き方を変えていくよりよく課題を自分の生き方を考えていく出典:文部科学省高等学校学習指導要領解説 総合的な探究の時間編(平成30年7月)よりリクルート進学総研所長カレッジマネジメント編集長小林 浩図1 2022年度から始まった高校の探究学習図2 探究における生徒の学習の姿図3 課題と生徒の関係(イメージ)必履修科目総合的な探究の時間理数探究基礎選択科目古典探究日本史探究世界史探究地理探究理数探究特集02高校の指導と大学への期待課題課題の設定情報の収集整理・分析■探究の過程を経由する。①課題の設定②情報の収集③整理・分析④まとめ・表現総合的な探究の時間自己の在り方生き方と一体的で不可分な課題を自ら発見し、解決していく課題自己の在り方生き方を考えながら、よりよく課題を発見し解決していく解決する■自らの考えや課題が新たに更新され、探究の過程が繰り返される。課題赤土豪一

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