カレッジマネジメント236号
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●5特集01学年性別大短進学率文系志望・理系志望SDGsについては、2015年に国連で採択されて以降、今や世界中のあらゆる組織、そして老若男女を問わず多くの個人がその存在を認知し、関心を高めている。2018年に示された文部科学省「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン」においても、その答申内容の前提となる社会のありようとして、「国連が提唱する持続可能な開発のための目標(SDGs)は、『誰一人として取り残さない(leave no one behind)』という考え方の下、貧困に終止符を打ち、地球を保護し、全ての人が平和と豊かさを享受できる社会」と記載されている。そもそも、教育や研究を通じた、多様な問題解決への貢献の連続が、高等教育の歴史ではある。しかしながら、未曽有の危機が待ち構えている将来を見据え、改めて地球と人類のサステナビリティのために何を為すべきか、SDGsが生まれたことをきっかけとして捉え直している大学も多いのではないだろうか。実際に多くの大学が、SDGs達成に向けた取り組みをホームページ上で様々に発信している。一方、初等教育から始まった新学習指導要領の前文と総則には、学習者を「持続可能な社会の創り手となる生徒」と記し、持続可能な開発のための教育(ESD)を進めている。地球高校1年(n=100)高校2年(n=105)高校3年(n=118)男子(n=157)女子(n=161)70%以上・計(n=250)70%未満・計(n=73)文系(n=157)理系(n=128)どちらでもない(n=19)まだ決めていない(n=19)興味・関心がある・計とても興味・関心があるまあまあ興味・関心がある23.018.120.317.223.621.616.416.627.315.810.5社会の現状を自分自身の関わりから「自分事」として捉え、そこから生まれる問いを他者との協働経験や内省を通じて探究していく過程で、SDGsに触れることも多いようだ。多くの教育機関が、そしてもちろん企業や自治体が、SDGsに対する主体者として動き出していることは間違いないであろう。日々の社会生活の中でも、各主体者が発信する情報とともに、カラフルなSDGsのロゴを目にしない日はないといっても過言ではない。しかしなかには、解決のための本質的な活動に繋がっていない等、取り組みの実態は一様ではないようだ。今回の特集では、SDGsの本質とは何かを改めて専門家に伺うとともに、その本質を踏まえて、独自のビジョンや取り組みへと確実に昇華している大学、高校、そして企業を取材した。今回、SDGsが目指す持続可能な社会の主役となる高校生達が、今SDGsに対してどのように捉えているのかについてのアンケートを実施した。まずはその結果のご紹介からスタートしたい。興味・関心はない・計あまり興味・関心はない56.019.055.219.051.722.959.218.549.722.455.219.650.723.357.319.748.421.168.45.352.636.8リクルート カレッジマネジメント236 │Apr. - Jun. 2023全く興味・関心がない興味・関心がある・計2.07.65.15.14.33.69.66.43.110.50.0興味・関心はない・計79.021.073.326.672.028.076.423.673.326.776.823.267.132.973.926.175.724.284.215.863.136.8(%)大学にとってのSDGs図表2低学年ほど興味・関心が高い傾向

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