58麗澤大学 学長麗澤大学は千葉県柏市に所在し、国際、外国語、経済の3学部、1学年あたりの学生数600名を擁する小規模大学です。創立者の廣池 千九郎が1935年に開塾した「道徳科学専攻塾」を前身としています。道徳科学専攻塾は、男女共学の全寮制で道徳をベースに語学を学ぶというユニークな学校で、知識と道徳は一つに調和すべきとする「知徳一体」を教育理念に掲げました。これを実学的に展開した「道経一体」の理念と、自分と相手と第三者の全員が利益を得る「三方よし」の思想は、現在のSDGsにも通じ、本学の教育に生かされています。1959年の大学開学から60年以上の歴史を持つ外国語学部は、少人数による語学教育と充実した留学プログラムが特色です。国際寮「Global Dormitory」と2020年に開設した国際学部では、日本人学生と留学生が交ざり合う異文化体験の教育の場を実践する等、国際教育にこだわってきました。2019年の学長就任を機に、グローバル化、Society5.0時代、コロナ禍と、先が見えない混沌とした時代を生き抜くために、世界と地域に貢献する「品格あるグローバル人材」の育成を始動しました。「グローバル教育」「道徳教育」「データサイエンス教育」「キャリア教育」の4本柱からなる全学基盤教育「麗澤スタンダード」の導入と併せ、2022年度から教育システムの大改革も始めています。集中的、濃密な学修機会と、多様なチャレンジ・チャンスの提供を目的に、①従来の90分授業から、反転授業とアクティブラーニングで構成する100分授業へ変更、②クォーター制(4学期制)の導入、③アクティブラーニング型授業・ゼミナールを実施しています。100分授業やクォーター制には教員の負担は増えるため様々な意見がありましたが、グローバル教育を目指す本学としては、出席すれば単位がもらえるようでは社会に申し訳ありません。クォーター制で授業が週2コマになれば、集中的かつ濃密な学修が期待できます。さらにクォーター制なら、5月の留学帰国後すぐに6~7月の授業を受けられるので、海外で涵養した英語力を落とさずに済む等、様々なメリットがあるのです。そこで教員には、1~3クォーターで集中して教育に従事して頂き、最後の4クォーターは研究休暇の取得等を提案したところ、実際に休暇を取る教員も現れ、徐々に理解が得られてきました。従来型の文系大学に対するアンチテーゼという思いで取り組んでいます。これまでの成果として、グローバル教育においては、コロナ禍でも、ネイティブ教員が正課外で語学学修支援を行う「iFloor」や、「オンライン留学プログラム」による国際交流を続け、THE世界大学ランキング日本版2022の国際性部門で全国12位になることができました。さらに2011年から「全米模擬国連大会」に連続出場している「麗澤模擬国連道徳をベースとした国際教育が特色新たな時代に向けた教育改革を推進グローバル教育やSDGsで教育成果小規模総合大学として、世界と地域に貢献する「品格あるグローバル人材」を育成徳永澄憲氏
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