カレッジマネジメント236号
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61授業の改善点を全ての科目で細部まで議論企業との重層的なコミュニケーションということ。両者を共に行うためには、それぞれの授業における<問いの立て方>がとても大事になります」ビジネスの様々な分野で活躍する実務家に加え、社会学の宮台真司氏、哲学の竹田青嗣氏など、教員陣には広い分野のそうそうたるメンバーが名を連ねる。「多くのビジネスパーソンは半径50mくらいの狭い世界で仕事をしているわけです。その視界を大きく広げ、社会や経営の視点で考えるように促す。しかも、複数の科目が有機的につながり、学びが深まる流れを構成する。そのため、全ての科目で、野田や私が教員と対話を重ね、プログラム全体を設計しているのです」「担当教員とは、一度作り上げて終わりではなく、何年もかけて磨いていくことを約束しています。学生からの評価とコメント、授業でのアウトプットなどをもとに、『この点は学生が学びきれていない、ついてこれていない』『この点で学生は不満を感じている』『では具体的にどうしていくか』と何回もミーティングを重ねます。それに、学生も、世の中も変わります。コンテンツは常にアップデートしないと、必然的に社会や経営の変化から遅れていくし、学生の満足度も下がってしまいます」「とはいえ最後の最後は、それぞれの教員の持っている『深み』にかかっています。それぞれの専門の領域で考え抜いてこられたことが、授業での講義や学生との対話に現れ、深い理解を促すとともに、迫力として学生に伝わります。ですから、それぞれの教員と一緒に科目、さらにはプログラムを考えていくことが不可欠です」ビジネススクールである至善館では、専任教員だけでなく、現場で活躍する実務家の特任教員も多い。両者を招いて行うFDも強化している。プログラム名称大学院大学至善館(専門職大学院)設置者開講形態開講日教員数修業年限学費定員・在籍者数募集対象「先日は、実際に私がやっている授業の組み立てに学生役で参加してもらって、ケースを用いた教授法のFDを行いました。皆さん各分野の専門家の皆さんばかりなので、正直私も肝が冷えました(笑)。でも、お互いにこうやって共有していくことが全体のレベルを上げていくという認識が、大学の空気感としてできあがっているのです。なんのために教育をしているのか、どういう人を育てたいのか、教員同士で青臭い議論が交わされていることが、とても大事だと思っています」教員同士のコミュニケーションだけでなく、企業とのコミュニケーションが果たす役割も大きい。「例えば卒業前の学生の発表には、学生を派遣されている経営者の方も見に来ていただき、私達の教育へのフィードバックを伺うことにも取り組んでいます」教育の改善に企業を巻き込んでいることは、募集においても功を奏している。「企業派遣の継続・拡大は決して簡単なことではありません。企業にはそれぞれ人材育成の問題意識や方針があり、派遣の目的も異なっています。特に、経営リーダーの育成は、経営者が関わるもの。ですから、派遣元企業の人事の方々だけでなく、経営者の方と、私達の問題意識や、教育を通じて目指すものについて会話することを非常に重視しています。企業コミュニケーション担当の職員だけでなく、学長、副学長も関わり、重層的で、継続的なコミュニケーションに取り組んでいます」管理者ではなく、変革と創造の時代を担う新たなリーダーを育成する…至善館の掲げるそのビジョンを、学生や教員・職員、企業にまで浸透させようというエネルギーが強く感じられる取材となった。(文/乾 喜一郎 リクルート進学総研主任研究員[社会人領域])イノベーション経営学術院イノベーション経営専攻学校法人至善館対面(現状、コロナ禍対応として対面・オンラインを併用)平日夜間ならびに土曜日(※一部日曜)専任教員16名 特任教員55名(2022年9月現在)2年入学金20万円 授業料240万円(年額)80名 在籍者数169名(2022年9月現在)経営リーダーとしての成長を志す社会人(原則、常勤者として3年以上の社会人経験を有する方。ビジネスに限らずソーシャルセクター、パブリックセクター等も含め募集)大学院大学至善館がカリキュラムの骨子に据えるコンピテンシー経営人材としての個人としての意志力全人格的な基軸力構想力リーダーとしての実現力

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