カレッジマネジメント236号
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62地域貢献の軸足にデジタルを据える下呂温泉(製作中)岐阜女子大学は下呂市と提携して「メタバースに学びの世界を」プロジェクトを2022年7月より展開し、地域における様々な分野でのメタバース利活用の可能性を探っている。その内容や経緯等について、プロジェクトの中心メンバーである文化創造学部長の横山隆光教授と、企画運営を担当する学生の方々に伺った。当該事業は、メタバース空間に岐阜女子大学と下呂市を構築して観光客を呼び込むという、下呂市の観光DXを実現する内容だ。2022年から3年の計画で展開されている。同大学が保有する地域資源コンテンツのアーカイブ等を繋ぎ、地域の活性化を担うと同時に、大学のイーラーニングシステムと接続して大学教育にも繋げる。これに先立っリクルート カレッジマネジメント236 │ Apr. - Jun. 2023健康栄養学科紹介会場て下呂市と大学は「地域活性化に関する包括連携」を結んでおり、本事業は「市町村と連携したメタバースの研究と利活用」「小中高生・大学生のDX等デジタル分野での学習の場の創設」「遠隔協働学習教育での個人に応じた教育やクリエイティブな学びのための環境構築」といった目的で設計されている。では、何故メタバースを地域連携に用いるのか。その背景を知るには少々時間軸を遡る必要がある。同大学は、2004年文科省の現代GP事業に「デジタル・アーキビストの養成ー文化情報の創造、保護・管理、流通利用を支援するー」が採択されて以降、国の複数の事業に「デジタルアーカイブ」の領域で採択を受けている。デジタルアーカイブとは、知的資源を対象とし、デジタル技術を用いて作成された保存記録のこと。近年では2017年同省の私立大学研究ブランディング事業に、「地域資源デジタルアーカイブ文化創造学部長 教授横山隆光 氏事例report_10 岐阜女子大学#6による新たな価値創出データサイエンス(DS)教育の最前線文系女子大学がメタバースで取り組む地域貢献

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