カレッジマネジメント236号
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69第1次選考レクチャー①レクチャーレポート自己申告書調査書第2次選考レクチャー②1日目グループワークふりかえりレポート2日目面接(口頭試問を含む)際情勢がテーマであった。土台となる語学や社会情勢を理解する力等を認識したうえで、学類ごとの専門授業へと進む。4年間の学びを凝縮した設計なのだ。こうした設計の背景にあるのは、同大学のアドミッション・ポリシーである。「入学者に求める能力」として、①高校までの「偏りなく幅広く、継続した学習」の内容をしっかりと身につけていること、②理数科目の積極的な習得、③基礎的な英語力の修得 を挙げており、これらは全学群の入試設計でも理数系の受験が適切に配置されていることからも一貫している。笠原氏は、「研究では英語で論文を読み、ファクトを数字で計算して統計的解釈を加え、論文で言語化します。こうした一連のアウトプットを踏まえれば、求める素養が文理横断的になるのは道理」と説明する。大学として行いたい教育に即した要素を正しく入試で問う、その第一歩としてアカデミック・インターンシップがあるのだ。※宮城大学令和5年度入試ガイドより編集部作成講師のレクチャーを受講①の内容に関するレポート作成自己推薦文・学修計画文を作成高校での学業成績や活動記録・評価講師のレクチャーを受講②に関して少人数グループで議論自身の思考の変化や深まりをまとめる志望理由等を問う面接基礎的な学修成果を問う口頭試問アカデミック・インターンシップの様子こうした高大連携活動で実践する探究学習で培った成果を評価する手段として、2017年度から実施しているのがAO入試(総合型選抜)である。選考プロセスは図に示した通り、評価するほうもされる側もかなり手間のかかる入試だ。募集人員は6学類各8人で、全体の11%に当たる48人。2023年度入試では56人が合格した。総合型は入学後すぐに学類に所属することができるというメリットがある。そのため、主体性等を含め、専門教育を受ける準備ができているかが問われるのが総合型選抜とも言える。入学生のパフォーマンスは概ね高く、学内でも評判が良いようだ。この入試は文部科学省の「大学入学者選抜における好事例集」にも、「高校生と大学生の協働活動等、地に足がついた連携」である点、「高校の学習と積極的に関わろうという姿勢」等が評価され、選定されている。今後について伺うと、「まずはこの入試の有効性を検証したうえで、拡充等を含めた判断をしていきたい」と笠原氏は言う。そのうえで高大連携について、「探究支援やアカデミック・インターンシップを発展して、入試の時間内だけではなく、素質ある生徒に伴走する流れになっていくとよいと思うし、相互乗り入れ含めて柔軟にできるとよい」と展望を述べる。高大連携を基盤とした入試で長い時間をかけてミスマッチを防ぎつつ、きちんと個人の目的意識が整合する場で学び、その人材が地域に還ることで、少子化が進むなかでも活力ある地域を創っていけるのではないか。宮城大学の高大連携活動に学ぶべき点は多い。 (文/鹿島 梓)リクルートカレッジマネジメント236│Apr. - Jun. 2023図 総合型選抜の選考プロセス高大連携活動で培った内容を評価する総合型選抜

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