71えで、3年目は大学の授業展開につなげ高大接続へと発展させた。それが「上智大学コラボ授業」である。「せかい探究部」受講の高校生が同大学の授業(基盤教育センター開講全学共通科目「探究的な学びを創る」)にオンライン参加する形式で、高校生が持ち寄る探究テーマについて、大学生が自らの専門性や経験を活かした協働ワークショップや対話を行うことで、深めていくというものだ。2022年度は32名が参加した。「高校生には、今の『わくわく感』を大学以降につなげていこうと話しており、ロールモデルとして大学生と交流できるのはメリットが大きい。また、秋頃はこれまでの蓄積がある一方である種のブレイクスルーが必要になってくる時期です。片や大学生は、研究調査の実践的な学びに伴走することで、自らの専門性を深め研究につなげていくことができるし、今後のキャリアを見据えて学びを再考したり、ファシリテーションやリーダーシップ等の社会的スキルを伸ばすことにもつながります」と新氏はその狙いを述べる。また、3-4年次を対象としたインターンシップ科目「Sophia GEDグローバルインターンシップ」(グローバル教育センター開講)も設置しており、この科目の受講生がインターンシップの一環として高大連携授業の企画運営に携わっている。単に高校生に寄るだけではなく、大学生側にも十分なメリットがあるからこそ、連携授業が成り立つのだ。こうした取り組みに応募してくる高校生にはどのような特徴があるのか。「自分で見つけたり、学校で先生に聞いたり、保護者が勧主な活動6つ※小誌232号掲載 https://souken.shingakunet.com/higher/2022/04/post-3268-1.htmlリクルートカレッジマネジメント236│Apr. - Jun. 2023めたりといったパターンがありますが、個人の志向によるところが大きく、特定のセグメントというわけではありません」と新氏は述べる。比率としては女子が多く、最近は通信の生徒も増えてきている。「高校でも探究活動が取り入れられているので、その拡張や深耕のニーズに合致するケースも出てきています」(新氏)。そうした動きを見据えれば学校導入等のニーズも高そうなものだが、現状の個別指導のやり方では学校規模への最適化が難しいため、当面は個人対象で続けていく予定だという。参加者30名が30通りのやり方で探究プロセスを突き詰めていくのが良さであり、システマチックに大型化して良さを棄損しては元も子もないというわけだ。また、今後の展開として、現状の東南アジア以外の地域にも探究の対象を広げていくことを想定する。「本事業のプログラムはオンラインなので、地域関係なくできるメリットがあります。また、『せかい』とひらがなにしているのは、東南アジアだけではなく自分の外にあるテーマと、自分の内面で何がわくわくするのかを循環してテーマを定めていく意図があります。そうした趣旨からしても、もっとテーマが広がっていくとよいと思います」(新氏)。参加者自らのテーマ設定が事業を超えていくのを待っているという。なお、この活動を経て上智大学に入学する学生も出てきているが、直接的に募集に活かすというより、「特色ある高大接続を展開する大学である」ことは、ブランディングとしても有効というスタンスだ。探究教育を通した高大連携プログラムの新たなチャレンジに今後も注目したい。(文/鹿島 梓)せかい探究部大学ベースの探究+世界を広げるわくわく活動ラインアップ①基本レクチャー (メコン塾・スキル塾) 90分・月2回②オンラインワークシート 常時③個別ゼミ 30分・月1回/ または3カ月に1回④オンライン調査サポート 期間中1回⑤特別セッション 90分・月1回⑥上智大学コラボ授業 11-12月頃 90分×4回NEWメコン塾レクチャースキル塾レクチャーオンラインワークシート個別ゼミオンライン調査特別セッション上智大学コラボ授業活動内容・流れ東南アジア入門国際関係探究入門テーマ・問いの考え方資料の探し方個人ワーク(オンラインワークシート)個別ゼミ特別セッション6月先行研究検討情報収集導入テーマ設定研究・調査計画調査・データ収集分析・考察上智大学コラボ授業オンライン調査政治経済教育環境歴史・文化持続可能な開発調査方法分析の考え方調査計画10カ月まとめ発表発表会論文の構成・書き方発表スキル3月探究志向の生徒を個別指導で丁寧に育成するという大学ブランド
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