カレッジマネジメント237号
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13(2)新たな時代に対応する学びの支援の充実(3)学び直し(リカレント教育)を促進するための環境整備総力特集 未来をつくるデジタル人材と教育こうした流れで公表されたのがこの政策パッケージだ(※2)。CSTIでは、特定の注力テーマについては政策パッケージを策定することがある。今回は「子どもの多様性に応じた学びの時間的・空間的多様性が必要である」「心理的安全性を実感しながら日々の生活を進めること自体がイノベーションの土壌」という、イノベーション創出の観点から、人材育成に関する政策をまとめている。CSTIが初等中等教育に対して真正面から提言するのは初めてで、詳目指したい人材育成の在り方(1)未来を支える人材:主体的に課題を発見し協働して解決できる人材(2)今後の成長分野を担う人材、変化する労働需要に対応できる人材具体的方策(1)未来を支える人材を育む大学等の機能強化  ①進学者のニーズ等も踏まえた成長分野への大学等の再編促進と産学官連携強化   ・デジタル・グリーン等の成長分野への再編・統合・拡充を促進する仕組み構築   ・高専、専門学校、大学校、専門高校の機能強化   ・大学の教育プログラム策定等における企業、地方公共団体の参画促進   ・企業における人材投資に係る開示の充実   ・地方公共団体と高等教育機関の連携強化促進   ・地域における大学の充実や高等教育進学機会の拡充   ・地域のニーズに合う人材育成のための産学官の連携強化  ②学部・大学院を通じた文理横断教育の推進と卒業後の人材受け入れ強化   ・STEAM教育の強化・文理横断による総合知創出   ・「出口での質保証」の強化   ・大学院教育の強化   ・博士課程学生向けジョブ型研究インターンシップの検証等   ・大学等の技術シーズを活かした産学での博士課程学生の育成等   ・企業や官公庁における博士人材の採用・任用強化教育未来創造会議「我が国の未来をけん引する大学等と社会の在り方について(第一次提言)」より編集部まとめ細は過去の原稿に譲るが、国を挙げてのSociety 5.0の実現に当たって、初等教育からの改革が必要だとするメッセージは大きな反響を呼んだ。そして、これまでの文脈の結実として注目されたのが2022年の教育未来創造会議第一次提言(図3)である。そこでは、未来を支える人材を育む大学等の機能強化が示された。デジタル・グリーン等の成長分野への重点投資、  ③理工系や農学系の分野をはじめとした女性活躍推進   ・女性活躍プログラムの強化   ・官民共同修学支援プログラムの創設   ・女子高校生の理系選択者の増加に向けた取り組みの推進  ④グローバル人材の育成・活躍推進  ⑤デジタル技術を駆使したハイブリッド型教育への転換  ⑥大学法人のガバナンス強化  ⑦知識と知恵を得る初等中等教育の充実リクルート カレッジマネジメント237 │Jul. - Sep. 2023図3 教育未来創造会議 第一次提言のアジェンダ内閣府CSTI人材育成に関する政策パッケージ内閣官房 教育未来創造会議 第一次提言政策のキーポイント6イノベーション創出の観点から初等教育以降の人材育成政策をまとめ2022政策のキーポイント7社会変化に応じたこれからの大学経営の在り方のベクトルを提示2022

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