カレッジマネジメント237号
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654321027企業におけるデジタル人材不足の現状総力特集 未来をつくるデジタル人材と教育課題発見と判断材料をデータで見つけていく データサイエンティストに必要な知識としては、SQL、Python、R等のプログラミング言語、Tableau等のデータ分析・可視化ツールが挙げられるでしょう。私は学生時代にモデリングの研究を行っていたので機械学習の知識はあったのですが、統計スキルについては入社後に学びながら身につけていきました。 データサイエンティストに最も求められるのは、「人を動かす分析をすること」です。企画担当やエンジニア等、事業に関わる人達が次に取る行動の判断材料を作るために、説得力のある分析を心がけています。データから得られた知見も必ず共有するようにしています。 今後も、常にデータを見続ける分析者視点だからこそ気づける課題を発見し、データ分析によって事業の成長に貢献していきたいと思います。LINE株式会社データサイエンティスト今井 遼 さん2019年、新卒入社。大学・大学院ではコンピュータサイエンスを専攻。デジタル系職種の採用ニーズの変動は激しい。一時期はデータサイエンティストのニーズが高かったが、リモートワーク環境整備が喫緊の課題になった際は社内システムエンジニアのニーズが急増したという。「直近では、デジタルをベースにビジネス全体をけん引できるようなプロダクトマネージャーが注目の的です。そして特に重要なトレンドとして、デジタル人材の採用に取り組む企業のユニーク数が伸びていることが挙げられます。IT業界だけでなく、自動車や家電等の製造業、アパレルや不動産といった業種にもデジタル人材ニーズが拡大し、人材獲得競争が過熱しています」だが、企業の採用ニーズに対して「デジタル人材の供給リクルートエージェント「 SE・IT専門職・Webプロデューサー・データサイエンティスト・Webマーケティング・Webデザイナー他、デジタル関連職種」求人数(2013年度〜2022年度)より作成1.491.001.13※2013年度の求人数を1として作成20162017201820193.031.991.671.575.283.472.63(年度)意思決定や業務改善をデータで支援する LINEにおけるデータサイエンティストの役割は、事業の意思決定やサービスの業務改善をデータ集計や分析によって支援することです。主にUI等を最適化するための設計・評価や、様々な仮説を検証する基礎的な分析を行っています。 人によって業務は異なりますが、私はLINE MUSICの「施策を良くしていくための分析」「推薦システムやUI等のA/Bテストの設計・評価」「データが仕様通り取得できているか」「データがどんな分布をしているか」「どんな活用ができそうか」等の設計・分析・評価を行っています。 LINEアプリのタブ情報欄のコンテンツを、ユーザーに合わせて出しわけるアルゴリズムの検討や実装も担当しています。「デジタル人材」の求人件数推移デジタル人材に聞く仕事の中身201320142015202020212022データサイエンティストソフトウェアエンジニアビジネスアーキテクトビジネスアーキテクトソフトウェアエンジニアサイバセキュリデザイCASE 1ただ分析をするだけでは、意味がない。「人を動かす分析をすること」が大切

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