カレッジマネジメント237号
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29学生のデジタルリテラシーを高めるために総力特集 未来をつくるデジタル人材と教育確にし、技術を分かりやすく翻訳します。そのために必要なスキルとして、プロジェクトの課題を明確にして解決に導くコミュニケーション力、課題解決力が挙げられます。デジタルスキルが当たり前になったその先に最新技術のトレンドは、その技術が実際にどう使われているのかとともにキャッチアップするようにしています。例えば、生成AIアイドルとのチャットサービスや音楽制作への活用等、業務アプリだけでなく、コンテンツ制作やエンタメ領域での技術活用も幅広くウォッチしています。AIやIoT等の技術の進化により、テクニカルディレクターに求められる役目も変化していくでしょう。デジタル技術はあくまで手段の一つとして、ブランドの課題解決だけでなく、生活者の新たな体験価値を創出するようなプラニングやクリエイティブのスキルを高めていきたいですね。タルリテラシーを身につけたうえで、世の中のニーズや課題を見つけるスキルが必須となっていくだろうという藤原氏。それぞれの職種における専門性も重要だ。「プロダクトマネージャーであれば経営学や商学、データサイエンティストであれば統計学や数学、エンジニアであればプログラミングスキルに加えてソフトウェア工学、デザイナーであれば心理学や認知工学、それぞれ専門性の核となる知識があります。最低限のデジタルリテラシーを土台にどんな専門性を載せていくのかが、今後のキャリアにおいては重要になるでしょう」この20年であらゆる業界や職種においてインターネット技術を使った仕事が当たり前になりつつあり、労働力人株式会社博報堂テクニカルディレクター田中順也 さんIT企業でカーナビのサービス開発、観光事業、地方創生等を経て、2021年に博報堂入社。大学時代は物理学を専攻。口におけるデジタル人材の割合は増えてきた。学生のデジタル素養を高めるためにも、ソフトウェアやデータ分析等に関する知識を学べる科目を全ての学生に対して必修科目としてほしいと藤原氏は期待を語る。さらには、社会においてデジタル技術がいかに重要な要素になっているのかを体感できることの重要性も訴える。「“デジタルが大事”とどれだけ言われるよりも、社会にどのように組み込まれているのかを肌で知ることで、世の中を見る目線が大きく変わってくると思います。そうなれば、デジタル技術を学ぶ動機になり、“デジタルは苦手”や“デジタルは理系の人がやること”といった食わず嫌いもなくなっていくのではないでしょうか」リクルート カレッジマネジメント237 │Jul. - Sep. 2023(文/馬場美由紀)開発とビジネスの現場をつなぐ「技術」の翻訳家私が所属する「hakuhodo DXD」は、テクニカルディレクターやUXデザイナー等の専門人材によるDX推進プロジェクトチーム。博報堂が強みとする生活者発想とクリエイティビティを起点に、真の体験価値を創造し、サービスを生み出すことをミッションとしています。テクニカルディレクターは、クライアントと生活者を繋ぐサービスを作るプロジェクトのディレクションを行います。例えば、デジタルツインや、NFT、大規模言語モデルといった最新技術でサービスを作りたいという要望に対し、企画から開発・実装、リリース後の運用・メンテナンスまで並走する役割を担います。新技術を使うことがゴールにならないように、マーケティングチーム、デザイナー、システム開発パートナーとの間に立ってサービスの目的を明デジタル人材に聞く仕事の中身データサイエンティストビジネスソフトウェアエンジニアアーキテクトビジネスソフトウェアエンジニアアーキテクトサイバーセキュリティデザイナーCASE 3技術はあくまで手段の一つ。体験価値を創造し、サービスを生み出すことが重要

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